みなさん。
ご無沙汰しております。
相変わらずの亀進行スイマセン。
今回、ご紹介するのは なつかしの“赤竿”。
先日、倉庫整理していたら偶然にもサンプルを発掘してしまったので、記念にアップしときたいと思います。
今から5,6年前。
エクリプスがまだ生まれて間もない頃にエクリプスチューンを企画していたときの話。
真っ赤なロッドが欲しいと思って、APIAのU社長に直談判。その結果、出来上がったのが風神Zのフローハント&ネオンナイトの赤竿。ちなみにそれぞれ50本弱しか生産されなかった超レアアイテム(笑)。もしかしたら存在すら知らない人も多いに違いない。
当時ありがちだった単なる真っ赤なロッドでなく、徐々にグラデーションかけて炎のような雰囲気に仕立てたすごく綺麗なロッド。陽の光に応じて赤が鮮やかに変化していくのだ。
太陽が上る前後の夜明けの海。太陽が徐々に濃紺の空を染め上げていく・・・。そんなイメージを無機質なロッドの世界に持ち込んでみた。
これだけで十分綺麗なんだけど、ただそれだけではつまらない。
そこでヒントをくれたのが実はマダイ。
魚屋や水族館でみるものよりも船の上で釣り上げられたマダイが一番艶やかな赤を発色している。これをよくよく考えてみると、じつは背景の抜けるような青空とか沖合いの深みのある海の色がこの赤を一層際立たせている。
『赤を目立たせるには逆色の青を使う・・・』
そこでスレッドにあざやかなブルーを一巻きいれてみた。
これがアクセントとなりグッと紅の深みが出てきたときの感動はいまでも忘れない。
相反する2つの要素を混ぜることでさらにその効果を際立たせる・・・。
これが今のエクリプス製品のカラーコンセプトの根幹につながっている。
しかし、この赤竿コンセプト。実はこれで終わりではなかった。
そのあとに発売したVX93MMLはアンサンドブランクにケブラーをこってり巻きつけただけのシンプルなデザイン。このロッドの持つ“徹底的に掛けにいく”“想定外のランカーと対峙する際の強力なバットパワー”というコンセプトから兵器に準じたデザインを採用した。
独特のグリップ形状も飾りでなく、ファイト時に取り回しのよいショートグリップを如何に握りやすく疲れにくいかを自分なりに研究してきたシェイプ。
磯竿や投げ釣り、はたまたカワハギやへチザオの和竿のデザインからも多くのヒントを頂いた。先人たちの釣りの知恵から出てきた各グリップの形・・・それはシーバスロッドにフィードバックしたのがVXから始まるあの独特の形状なのだ。
このVXはいくつかシリーズ化する企画が同時進行していた。
しかし、材料のケブラーの関係で93MMLだけが最終的に発売。それ以外は闇に葬りさられた。そんななかにVXの赤竿が存在する。それが“VX テスタロッサ”。
実物サンプルは届いたものの、実際には実戦投入はされてない。
あくまで次のモデル仮称“レッドシータ”へのテストモデルという位置づけのコンセプトモデルとしてサンプルだけは存在していた。
しかし、VXシリーズが暗礁に乗り上げ結局陽の目を見ることはなかった・・・。
その次のレクシータ9.9も製品化と同時に“テスタロッサモデル”のプロジェクトがスタートしている。
ここ何度か雑誌でお目見えしている“レッドシータ”がそれだ。オリジナルとはアクションを変え、自分の好きな干潟や河川、サーフでの使用感を全面的にアップしている。
アクションが決まる前にいくつか試験的にデザインしたのが写真の"赤いレクシータ“。
オリジナルに赤い塗装を施した世界で唯一無二のレクシータである。
こんな感じで進んできたエクリプスの赤竿の歴史。
もちろん完全に自己満足の世界。
これで釣果が3倍になる保証はいっさいありません(爆)。