「パパラギ ~回帰」 | フラメンコギタリスト樫原秀彦のブログ 

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パパラギ ~回帰  4分35秒の背景にある One of  them
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去年のクリスマス、僕が敬愛するスタジオMの小二田さんが
一冊の本をプレゼントしてくれた。
「パパラギ」 エーリッヒ・ジョイルマン著 (ソフトバンク文庫)
内容を要約すると、西サモアの島に住むツイアビという人物が
近代ヨーロッパの国々を回り、キリスト教と大いなる心との違い、
教会の不思議。 服装や住宅、道路、町、器具機械の不思議。
金銭と経済、職業と職種の不思議。時間感覚、マスコミの不思議
など、文明社会のありとあらゆる面にわたっての批評と意見を鋭く、
ユーモアたっふりに綴った本なのであります。
本を読みながら僕は失笑し、時に自分が恥ずかしくもなり、
あたりまえだと思っている事は、本当にあたりまえの事なのか?
という事を考える意義を再確認した。

昨年の3/12から福島第一原発で次々に起こる爆発の様子を見ながら、
得体のしれない恐怖を覚え「あっ遂に終わったな」と僕は思ってしまった。

人類が築いてきた文明は本当に人類を理想へと向かわせているのか?
僕が主張したいのは、全てを捨て原始の世界に戻ろうという
極論ではなく、かけがえの無い精神の源へ回帰すべき部分は
多々あるのではないかという事で、
その結果、新しい価値観(本来あるべき価値観)も
自然に見えてくるのではないだろうか・・・
もしそんな事は無理だというのなら、
せめて既存の文明とシステムをアレンジし、
今より少しはましな社会を作るしかない。
「絆」とか「希望」とか、そのてのレベルで可能な話だ。

願わくば3.11で経験した事を糧に、科学の進歩ではなく
人間がもっと進化し、その集合体から自然に発生した新しい価値観を
日本から世界へ向けて発信出来たらどんなに素晴らしいだろうと
僕は夢想する。

故郷を、生活を、ズタボロに破壊されてしまったFUKUSHIMA
(敢えてローマ字表記)の方々に報いる為に何が出来るのか。
無知と無関心を許容してきた日本人の僕には重い責任があると思う。

・・・とはいえ原発再稼働に関する一連の騒動ではなく事件や、
昨年の都知事選の結果をみた瞬間、
僕の心は「ポキッ」っと音をたてるのでした。。。
( -_-)