「赤とんぼ」の謎
少し前に,童謡「森のくまさん」の歌詞の味わい方(笑)について,少し考察してみましたが,今回は「赤とんぼ」です。
まずは,歌詞を見てみましょう
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負われて見たのは,いつの日か
2 山の畑の,桑の実を
小籠に摘んだは,まぼろしか
3 十五で姐(ねえ)やは,嫁に行き
お里のたよりも,絶えはてた
4 夕やけ小やけの,赤とんぼ
とまっているよ,竿の先
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この歌詞でよく話題になるのは,1番の歌詞の『「負われて」を「追われて」と間違って覚えていた』とか,2番の歌詞で『お姉さん,16歳になってないのに結婚っておかしいんじゃないか?』の2点です。
これらについてはあちこちで取り上げられていますので,今回は,別の観点からもう少し深く掘り下げてみたいと思います
■「小焼」っていったい…ヽ(~~~ )ノ ハテ?
改めて歌詞を読んでみられると多くの方は,まずは,『「小焼」って何?』という疑問がわいてきたのではないかと思います。
探究心が旺盛な方は,さらに,『「小焼」があるからには「大焼」もあるのか?』とも思われたかもしれません
辞書で「小焼」の意味を調べてみますと,「夕焼けと語調をそろえていう語」,つまり『別に意味はないよ』という,何ともそっけないことが書いてありました。
こんな答えでは,到底,皆さんの納得は得られないと思いますので,私は次のように解釈しました
ヒントは,同じく童謡の「夕焼小焼」の歌詞,「夕焼小焼で日が暮れて~♪」にあります。
そうです,「夕焼」→「小焼」→「日が暮れて」ですから,「夕焼」と「日暮れ」の間が「小焼」なんだと思います
ですから,「夕焼小焼」は「大夕焼小夕焼」の省略形なんです,きっと。
えっ,省略の仕方がおかしいですか? でも,例えば「大焼小焼」と省略すると,何だか山火事みたいですよね。悠長に赤とんぼを見ている場合ではなくなります
今日の「うーちゃん」
■不思議です…”o(-_-;*)ウゥム…
この歌の歌詞の最大の謎は,1番と4番の文字の使い方の違いです。
うかつにも気が付かれなかった方は,もう一度,じっくり眺めてみてください
そうです,歌うと1番も4番も前半は「ゆうや~け こやけ~の あかとんぼ~♪」なので気が付かないのですが,歌詞を見ると何故か漢字とひらがなの使い分けが違っているんですね。
1番は「夕焼小焼の,あかとんぼ」,4番は「夕やけ小やけの,赤とんぼ」となっています。私の書き間違いではなく,原作でそう書かれているんです
この事は私の長年の謎だったのですが,先日,この歌を主題にしたテレビ番組をやっているのを見て,半分だけ謎が解けました。
この歌は,1番は作者(三木露風さん)の幼少期のことを,4番は作者がこの歌を作詞した当時のことをそれぞれ歌っているので,子供の頃には書けなかった「赤」という漢字が,大人になって書けるようになったという事なんだそうです
『なるほど,そうだったのかぁー』と感心したのですが,しばらくすると,『でも,「夕焼小焼」は逆に「夕やけ小やけ」と,ひらがなになってるじゃないか』という事に気が付きました。
残念ながら,その番組は,その点についてはスルーして,私の疑問を半分だけ解明して終わってしまいました。不親切な番組です
■ちなみに…φ(.. )
ちなみに,この歌詞のオリジナルのタイトルは,漢字で「赤蜻蛉」となっていたそうです。
つまり,この歌は,タイトルが「赤蜻蛉」で,歌詞の1番が「あかとんぼ」,4番が「赤とんぼ」となっている訳で,何とも奥深い歌だったんですね
ただ,少し気になるのは,三木さんがこの歌を思いついたのは,北海道のトラピスト修道院で教鞭をとっておられた時で,授業中に窓の外を見ていると,竿の先に「赤とんぼ」が止まっていたらしいです(これが,4番の歌詞ですね)。
授業中にぼーっと窓の外を眺めておられた訳ですから,きっと,『今日は疲れたから』自習にでもしておられたんでしょう。教えながら,ぼーっと外を眺めるのは無理ですから
という事で,三木さんはとても大らかな方のようですから,歌詞も適当に文字を使い分けていた,あるいは,使い分けていることに自分でも気付いていなかった,ということも大いにあり得ます。
もしそうですと,いくら調べても無駄という事ですから,永遠の謎になってしまいますね
遊び疲れた「うーちゃん」

