【京の言葉】「そうどすなぁ」,「そうどすかぁ」,「そうどしたかぁ」
これは,「そうどす」の三段活用です。
あっ,私が勝手にそう言っているだけで,学術的には認められていません
これを単純に標準語にすると,「そうですね」,「そうですか」,「そうでしたか」です。
それぞれ,相手の言うことを肯定したり,相手のことを思いやるような言葉と思いがちですが,必ずしもそうではありません
京言葉では,否定的な言葉を全く使わずに,否定することがよくあります。
この辺りは注意が必要ですので,具体的な例で勉強してみましょう
■「変わった」,「珍しい」
まず,「変わった」や「珍しい」は要注意です。
「変わったことしはりますなぁ」や「珍しいことしはりますなぁ」は,いずれも褒めことばではありません
何となく,「凄いことができるんですね」的な言葉と思いそうになるのですが,まったく逆です。
「そんなんせん方がよろしおっせ」。標準語ですと,「そんな事はしない方がいいですよ」,もっと簡単にいいますと,「馬鹿じゃない」というような意味です
■「勉強」
「勉強」という言葉が出てきた時も,注意が必要です。
前回の,「えろおすなぁ」という言葉と同じです
「よう勉強したはりますなぁ」。標準語では「よく勉強されてますね」と言う意味ですが,勿論そのままの意味で受け取ってはいけません。
ごく稀に,本当に感心している場合もないとは言えませんが,通常は,「知識ひけらかすんは,はしたのぉおっせ」(知識をひけらかすのは,はしたないですよ)と言われているものと受け取りましょう
■「そうどすなぁ」 「そうどすかぁ」 「そうどしたかぁ」
この三つの言葉は,会話での合いの手のような言葉です。
こうした言葉は曲者で,肯定風でありながら,肯定しているとは限りません
肯定しているとは限らないというか,大抵は,「そんなんどうでもよろしいわ」(そんなことどうでもいいです),平たく言えば,「それでぇー?(もー,面倒くさいなぁー)」という意思表示です。
真に受けて,続きを聞きたがっていると思ってはいけません
こうした言葉は,いわば,「否定的表現を使わない否定の意思表示」という,言語学的にも他の地域ではほとんど見られない表現だと思います。
その場は無難に切り抜け,しかし,実は自分の意思は貫ぬくという,京言葉の真髄の一つと言えますね

