[バックナンバー]
レッスン ①
レッスン ②
レッスン ③
[例文]
京都旅行に来た,生粋の東京人である「東 京一(あずま きょういち)」は,このまま京都に住み続ける訳にもいきませんので,午後の新幹線で帰えることになりました。
旅館で知り合った,女将の姪の「京子」が,京都駅まで見送りに来てくれるとのことになりました。
京一:女将さんによろしく。一人で頑張っているんだから助けてあげてね。
京子:叔母さんは強い人やもん,大丈夫。地の人やないさかい,昔はいけずもぎょうさんされたらしいけど。(1)
京一:「地の人やない」って?
京子:あの人は戦後のお人やさかい言うて,いけずされた,言うてはった。(2)
京一:戦後の人・・・?京都に来てから60年ちょっとということかな。やっぱり,60年も住むと京都弁もうまくなるね。
京子:いややわ京一さん,てんごばっかり。京都で戦後いうたら,「応仁の乱」以後に決まってるやないの。(3)
[日本語訳]
(1)叔母さんは強い人だもの,大丈夫。土地の人(京都で生まれた人)ではないので,昔は意地悪もたくさんされたらしいけれど。
(2)あの人は戦後に移ってきた人だからといって,意地悪されたと言っておられた。
(3)いやだわ京一さん,冗談ばかり。京都で戦後と言えば,「応仁の乱」以後に決まってるじゃないの。
[親切な解説]
(1)「いけず」は,「意地悪」という意味で,比較的ポピュラーな言葉かもしれません。テレビアニメ「ちびまる子」で,「まるちゃん」が時々使っていますね。
「ぎょうさん(仰山)」は,京都だけではなく関西で広く使われており,「たくさん」の意味です。
(2)「戦後のお人」は,「戦後に(京都に)住み着いた人」。「言うてはった」は,敬語でもあるので,とりあえず「言っておられ」と訳しましたが,ニュアンスとしてはもう少し気軽な言葉です。
(3)「てんご」は,「冗談」や「いたづら」ことです。
「応仁の乱以後」というのは,実際に日常会話で使われている言葉ではないですが,京都人の歴史観というか古都であるという誇りを持っているということを表した,「都市伝説」みたいなものです。
確かに,京都は第二次世界大戦では空襲を受けていませんが,応仁の乱では焼け野原になったようですから,まったくの出鱈目でもないですね。
今回で,「東 京一」の「京都旅行編」は終わります。
次回は,私の気が向いたら再開しますので,気長にお待ちください

