[バックナンバー] レッスン ①
[例文]
生粋の東京人である「東 京一(あずま きょういち)」は,無事に今日の宿の「はんなり旅館」に着きました。
旅館は,純然たる和風で,建物はかなり古いですが,趣があるとも言えます。物は考えようです
京一:電話で予約しました,東です。
女将:おいでやす。お待ちしとうりましたんどすえ。(1)
女将:東京からおいやしたんどすか。それはそれはようこそ。へ,おぶどうぞ。(2)
京一:は?・・・ああ,いただきます。
女将:なんぞ用事がおしたら呼んどくりゃす。あ,それからごもくはそこへほかしとくりゃす。(3)
京一:えっ?
女将:ごもくはそこへほかしてくれはったら・・・
京一:・・・?(意思疎通が図れないので,困惑する)
[日本語訳]
(1)いらっしゃいませ。お待ちしておりましたのよ。
(2)東京からおいでになったのですか。それはそれはようこそ。さあ,お茶をどうぞ。
(3)何か用事がありましたらお呼びください。あ,それからゴミはそこへ捨ててください。
[親切な解説]
(1)京都弁の代表的な語尾の言い回しに,お馴染みの「~どすえ」があります。
ネイティブ・スピーカーは,「ど」ではなく,少し鼻に抜いて「の」に聞こえる音を使います。今回の例ですと,「お待ちしとうりましたんのすえ」という感じです。
(2)「おいやした」は「おいでになった」,「へ」は「さあ」の意です。
「おぶ」は「お茶」のことで,「ぶ(茶)」に丁寧の意を表す接頭辞「お」がついたものです。「ぶぶ」,ともいい,生粋の京都人は「お茶漬け」のことを「ぶぶ漬け」と言います。
(3)「ごもく」は「ゴミ」,「ほかす」は「捨てる」の意です。
ちなみに,「炊き込みご飯」の事を,関西では「五目ごはん」や「かやくご飯」と言います。当然,小さい頃の私は,何故,ご飯に「ゴミ」や「火薬」などという変な名前を付けたのか,不思議に思っていました。
京都弁講座の二回目はいかがだったでしょうか。
今回の言葉で,「ほかす」は私も普段使っていますから,しぶとく生き残っている言葉もあるようですね

