
さて,前回は,「鹿せんべい」が奈良公園の鹿の人格,いえ,鹿格の形成に大きな影響を与えているという,「鹿せんべいの法則」を発見したことを発表しましたが,今回はもう少し深く,鹿と「鹿せんべい」の関係を考察してみたいと思います
「鹿せんべい」は色々な所で販売されているのですが,最も販売量が多いと思われるのは,公園内のあちこちで「おばちゃん」(関西では,年配の女性を,親しみを込めて「おばちゃん」と呼びますので,以下,この言葉を使います。)が露天で売っているものであると思われます
下の写真のように,ちょこっと看板を立ててイスに座って売るという,すごくシンプルな販売方法です
いたってシンプルなお店?です。右の鹿は,せんべいを見詰めていますね
◇「鹿せんべいの掟」
写真のとおり,店の造りはいたって簡単で,というか店と呼ぶのが正確なのか迷うのですが,その販売方法もいたってシンプルです。せんべいが湿らないように,ブリキの缶にせんべいを入れておき,当面販売する分だけをその缶の上に置いておいて,買いに来た人にそれを売るというやり方です
ここで,賢明な方は次のような疑問を持たれると思います。「そんな無防備な売り方だと,隙を見て鹿に勝手に盗み食いされちゃうじゃないか?」ということですね。
それが,不思議なことに,ほとんどの鹿君はお店の商品にはまったく反応しないんです。ごく稀に,商品をクンクンしている鹿君を見かけることもないではないですが,そういう不埒な鹿くんはどうなるかと言いますと,容赦なくおばちゃんにひっぱたかれていましたね。
ここから推測できることは,鹿君はおばちゃんとのやりとりを通じて,「せんべいは公園をうろついている人からもらうもので,店にあるものを食べてはいけないんだ」という,「鹿せんべいの掟」を学習するみたいですね
◇ちゃっかりとした鹿もいます
人間の世界と同じで,鹿にも楽して生活しようと工夫するやつがいます。例えば,下の写真の鹿がそうですね
そうです,「鹿せんべい」を持っている人をすばやく見つけるため,お店の周りでせんべいを買う人を待ち受けているんですね
こういう鹿君は,せんべいがおばちゃんの手からお客さんの手に渡る瞬間をジーット見つめていて,お客さんの手に渡ったら素早く近づいてきて,せんべいをねだります。
鹿は鹿なりに,学習し工夫しているようです。微笑ましいですね
◎追伸
なお,「おばちゃん」の名誉のために書いておきますが,早朝でお店が暇なときは鹿君をなでたりして遊んであげたり,中にはパンくずなどのエサを持参している方もおられます。こうしたことも,鹿君とおばちゃんの信頼関係と,鹿格の形成に大きな役割を果たしていると思います
鹿君と遊んであげている「おばさん」です
(続く)





