
「奈良公園に鹿がいて何で不思議なの?」と思われる向きもあるかも知れませんが,よければお読みください
なお,今回は,私の1ヶ月余りの学術調査に基づき,微に入り細に入り書いてみたいと思いますので,3回に分けて書かせていただきます。一応,各回ごとに話が完結するようにはしたいと思います
◇奈良公園の鹿は至って呑気です
奈良公園の鹿は至って呑気というか,はっきり言って呑気を通り越して驚くほど無防備です。
例えば,横になっている鹿に近づいても,首をひねってチラッと視線を向けるだけで,まったく動じる様子がありません
野生の鹿は,人間を見たら慌てて逃げると思うのですが,奈良公園の鹿(誰かが飼っている訳ではありませんので,一応,野生ですね。)が走っているのを見かけることはまずないです。ただ,小鹿は人が近づくと逃げます
◇私見ですが…
このようにとてもフレンドリーで珍しい奈良公園の鹿なのですが,その生態を研究したという話は聞いたことがありませんので,僭越ですが私が調査をしてきました。調査報告書は,約200ページにわたるのですが,紙面の都合上,その一部を抜粋して紹介したいと思います
まず,小鹿は人を見たら逃げるが,成長すると逃げなくなるということは,逃げないという習性は生まれつきのものではなく,後天的なものであると言えます。
この習性がどのようにして形成されるかなのですが,これには「鹿せんべい」が深くかかわっていることを発見しました
「鹿せんべい」を持っているとどこからともなく現れます
◇「鹿せんべい」を知っておられますか
奈良公園に行かれたことがある方には,説明の必要がないと思われますが,行かれたことがない方が誤解されると,この後の話がややこしくなりますので,「鹿せんべい」なるものについて簡単に説明しておきます
「鹿せんべい」とは,「ひよこまんじゅう」や「ハトサブレ」のように形状が鹿に似ているとか,ましてや鹿肉が入っている「せんべい」ではありません。観光客の方などがお店で購入して,鹿にあげるエサです。
つまり,公園管理当局が,観光客の方に鹿と触れ合っていただこうという心遣いと,エサ代を節約しようという魂胆から思いついたものと思われます。これは,推測の域を出ませんが…
実物は下の写真のようなものです。10枚150円で売られています
これが「鹿せんべい」です
十字に縛ってある「紙」も食べられる材料から作られています
何故,奈良公園の鹿が物怖じしないのか,勘のよい方はもうお気づきのことと思いますが,鹿にとっては,人間はエサをくれて,おまけに,エサを食べてあげると喜んでくれるという,奇特な存在なんですね。
つまり,「人間を見かける=エサにありつける」とインプットされている訳です。奈良公園の鹿は,したたかです
(続く)





