実家の飼い猫が
20歳の天寿を全うしました。
2000年の春に産まれたらしき捨て猫で
里親を探していたオスとメスの2匹を引き取ってきたとの事。
どうやら人間に酷い事をされていたらしく極度の人嫌いで
実家に連れてから結構な期間
どこかに隠れて姿を見せずと全然なつかなかったようです。
それでも
だんだんと人馴れ・・・っていうか飼い主馴れして
いつしか普通に生活出来るようになったようです。
しかし数年後
オス猫が“武者修行の旅”(と父が言うとります)に出て帰って来ず
実家にはメス猫が残りました。
このメス猫
普通に生活出来るようになったと言っても“飼い主馴れ”しかしてないので
知らない人が来るとずっとどこかに隠れていて
その人が帰るまで姿を見せないとの事でした。
実際
最初の頃は私が来てもどこかに隠れて姿を見せなかったくらいです。
それでもいつしか私の存在にも馴れて隠れなくなったんですけどね。
元々が極度の人嫌いなので全然愛想の無い猫で
名前を呼んでも無反応
猫用のオモチャになんて見向きもしない
じゃれるなんて事はありませんでした。
寄ってくるのは
お腹が空いた時と
遊んでほしい時くらいで
後は自分の気が向かない時は基本シカトでした。
そんなんでも
私は構わずちょっかい出すワケで
爆睡している時にソォ~っと近付いて身体をポンッと触りながら大声で「わっ!」と言っては「シャ━━━━━ッ!」と怒られたり
寝てる時にティッシュでこよりを作って鼻の穴コチョコチョやっては「シャ━━━━━ッ!」と怒られたり
仰向けにして両後ろ足の肉球を嫌がるのもシカトしてずっとコチョコチョくすぐっては「シャ━━━━━ッ!」と怒られたり
まぁそれなりに遊んでやってました。
ラグに座って新聞を広げて読んでいると
ガシガシ新聞の上に乗ってきては「遊べ」アピール。
そんな時は
廊下で“猫モップ”したりワッショイワッショイと胴上げしてあげたりムツゴロウさんばりにクッシャクシャに撫でてみたり
全力で遊んであげると「そうじゃないんだよな~・・・」って微妙にヘコんでたりしてました。
数年前から
時々痙攣するようになり
年齢を重ねるにつれて
階段が上れなくなり
走る事も滅多にしなくなり
身体能力の衰えが顕著になってきました。
そして今年の春
車に轢かれて左前足を骨折してしまいました。
動物病院へ見舞いに行った時に見た光景・・・
鼻にカテーテルを入れられて
生きる気力を無くしたような飼い猫の姿がありました。
この時に家族は
人間の都合で無理やり生かすくらいなら・・・と
“安楽死”の覚悟をしました。
入院してしっかり診察してもらった飼い猫は
脳に腫瘍があって(これが痙攣の原因らしいです)
心臓が弱っていて
年齢も年齢だから骨折の手術には耐えられないとの事でした。
カテーテルから流動食のあげ方を教えてもらい
5日くらいで退院させてもらって
鳴く事も動く事もしない飼い猫を実家に連れて帰りました。
そして
家族の献身的な介護で
自分で食事出来るようになり
ちゃんと鳴くようになり
3本足でも立ち上がるようになり
骨折した足を器用に使って歩けるようになりました。
あの
病院での生きる気力を無くした姿からは想像出来ないような
奇跡的な回復でした。
しかし
回復しても歩く頻度は激減しているので
身体を動かさないと目に見えて筋力は衰えていきました。
そして
それは突然やってきました。
今週になってから
一気に弱って寝たきりになって
食事する事も水を飲む事も・・・流動食や水を口の中に入れても・・・食べる事も出来なくなり
そして
眠るように天に召されました。
20歳
来春には21歳になっていた
人間の年齢なら96歳のおばあちゃん猫。
実家は私が子供の頃からずっと猫を飼っているのですが
天寿を全うした猫は彼女が初めてでした。
家族と話して
葬儀は合同葬にして
参列もせず
合同葬だから遺骨もいただかない事にしました。
お墓も作りません。
実家に来てくれて
ありがとう
20年も生きてくれて
ありがとう
病気や怪我に負けずに
本当に本当に頑張ったな
20年も生きてくれたんだから
きっと幸せだったんだろうな
お前はもう“自由”だから
実家に縛られずにどこでも好きなトコロに行きな
そして
気が向いたら実家を覗きに来てや
またムツゴロウさんばりにクッシャクシャに撫でてあげるでね(笑)
本当に
ありがとうな!