失敗は成功のもと

「失敗しないようにしてあげたい」

子どもを思うほど、親はそう考えてしまいます。

忘れ物をしそうなら声をかける。
危なそうなら先回りして手を出す。
うまくできなさそうなら、やり方を教えてあげる。

特に、発達特性のある子どもを育てていると、「失敗すると困るから」と親が先回りする場面も多いかもしれません。

でも、失敗は本当に「避けるべきもの」なのでしょうか。

ことわざに「失敗は成功のもと」とあります。

これは、失敗した経験を振り返り、原因を考えたり、やり方を工夫したりすることで、次の成功につなげられるという意味です。

もちろん、子どもが危険な目に遭うことや、大きな傷つきを経験することまで「良い失敗」として見守る必要はありません。

でも、忘れ物をした。
時間に間に合わなかった。
うまくできなかった。
友達とのやり取りで失敗した。

そんな日常の小さな失敗まで、すべて親が取り除いてしまったら――

子どもは「失敗しない方法」は覚えても、
「失敗したときにどうすればいいか」を学ぶ機会を失ってしまうかもしれません。

大切なのは、

「失敗しないようにすること」ではなく、
「失敗しても、そこから立て直せるようにすること」

「どうしてできなかったの?」と責める代わりに、

「次はどうしたらできそうかな?」

と一緒に考えてみる。

それだけでも、失敗は「ダメだった出来事」から「次につながる経験」に変わります。

そして何より、子どもに伝えてあげたいのは、

「失敗しても、あなたの価値は変わらない」

ということ。

できたから偉い。
失敗したからダメ。

そんな評価ではなく、

失敗しても、また考えればいい。
困ったら助けを求めればいい。
何度でもやり直していい。

そう思える子どもは、きっと失敗を怖がりすぎずに、新しいことへ挑戦できるようになります。

親ができるのは、子どもの人生から失敗をなくすことではありません。

失敗したときに、一緒に立ち止まり、次の一歩を考えてあげること。

失敗は、終わりではありません。

もしかしたらそれは、
子どもが自分で考え、工夫し、成長するための「はじまり」なのかもしれません。