その日は15時からミーティングの予定だった。

14時50分過ぎた頃、そろそろミーティング室へ移動しようと準備をした時、私用のスマホが鳴った。

画面には見知らぬ電話番号。

普段知らない番号は殆ど無視する。そもそも知り合いなら画面に表示されるし、仕事関係の電話なら業務用のスマホに連絡が来る。それに、もうミーティングが始まる。


それなのに、何故かその電話には出てしまった、何故か。

電話の相手は健診センターの看護師。

え?なんで?ドックで悪いのがあればすぐ連絡来ると噂には聞いていたけど…?


先日受けたドックの結果を受けて、医師から説明がある、明後日の予約に空きがあるので健診センターに来てほしい、病院を紹介するので保険証も持ってきて欲しい。そんな感じの事を言われた。

いや、何?何があった?そんなすぐ来いって事は悪い話されるって事ですよね?

看護師は、腹部超音波で所見があるので医師から説明したい、と言いづらそうに答えた。


えー、マジかー、いや、確かに超音波長かったよ。同じ所ずーっとグリグリやってたよ。でも私どこも何も症状ないよ。痛くも痒くもないよ!子供、まだ小さいんだよ!


時計を見るともうミーティングは始まっている時間だったけど一度部署に戻って隣の席の同期に電話の内容を話した。こういうのって、自分の中に収めて静かに対応する人が殆どなのかな。私はこの衝撃の展開をとてもじゃないけど1人で消化出来ない…!

彼女はミーティングは欠席したらどうか、と提案してくれたけど、仕事してる方が気が紛れるかなと思って遅れてミーティングに参加した。

けど!全っ然話入ってこない!さっきの電話でのやりとりが頭の中リフレインしてる。子供たちの事をチラッとでも考えたもんならじわっと涙が出てきちゃう。早く終われー、ミーティング早く終われ!


その日から私のネット検索の日々が始まるのです。