解雇規制と労働市場(続き) 目覚まし気付け薬 | 風のかたちⅡ

解雇規制と労働市場(続き) 目覚まし気付け薬

月曜納品の気が進まない仕事を抱えて、土日は、PCに向かっては席を立つの繰り返し。ついに月曜未明までかかって午前2時に床に飛び込んだが、悪いことは続くもの。朝5時過ぎには、息子の部屋の目覚まし時計で目が覚めてしまった。息子は耳元で目覚ましが鳴り続けるのに太平楽。ぐぅぐぅ 逆に中年性?初老性?早起き癖のあるオヤジの方が目覚めてしまった。しょぼん 


仕方なく机で一服していると、目の前には3時間前に無理矢理ケリを付けた仕事がそのまま。寝ぼけ眼でみても、できの悪さに改めて気分が悪くなり、寝不足も手伝って、最悪の月曜モーニングだ。叫び


一日頭真っ白状態のママだったが、なにげに覗いた労弁・水口先生(http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/ )のちょっと前の書き込みに目がとまり ようやくすこし目が覚めた気分になった。目


大竹文雄・奥平寛子「解雇規制は雇用機会を減らし格差を拡大させる」(福井・大竹編著「脱格差社会と雇用法制」)への水口さんのコメントと、それに対する通りすがりさん、社会学さん、経済学さんとかのコメントが連作風になっていて面白い。


福井・大竹編の中では唯一と言っていい実証のある論文だった。手元にないので水口さんの要約をたよりに思い出してみると、結論は、「労働者寄りの判決(解雇無効判決)は就業率を切り下げる」「1単位の労働者りの判決ショックは就業率を約0.16%低下させる」というもの。過去50年余りの裁判例から「解雇無効判決」が出たら「1」、解雇有効判決が出たら「-1」として地域別に足し上げた数字を出し、判決で労働者有利と出た地域の方が労働者不利と出た地域に比べて就業率が低いという事実を提示していた。


著者達は、ちゃんと「他の条件を一定としたときに」という前提をおいたうえで1単位の労働者寄りの判決ショックが就業率をどれほど変化させるかを「実証」してみせたわけで、標準的な「経済学の考え方」を展開している他の先生方の論文とはひと味違っていた記憶はある。でも、読んだときの印象は、正直なところ「眉につば」だったなぁ。

「他の条件を一定としたときに」という前提には、地域の雇用情勢(例えば有効求人倍率の違いとか)は当然に調整しているんだと思うが、1950年代から2000年の間のその他の条件の調整ってのをどうしたのだろう??はてなマーク なんてつまんないことも気になるが、解雇無効判決がより多いほど、経営者は解雇の難しさを身にしみて、人を雇うのに慎重になる・・というストーリーがどうも気になる。より解約自由な雇用形態(有期契約)への選好は強くなるだろうが、雇用率、就業率まで引き下げ効果ってあるのかなぁ。


「雇用率」「就業率」を筆者達がどう書いていたか、家に戻ってからみてみるべし。