梨状筋の緊張による臀部痛 | 越谷の整体院【 陽 だ ま り 通 信 】

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副題:【整体師のぼやき】

ものぐさな私が、ブログを始めてしまいました。
主として当院患者さんのためにですが、迷い込んでしまった方も歓迎です。
お暇な時の、ちょっとした楽しみになれたら幸いです。


【梨状筋の緊張による臀部痛】


 

一昨日は久しぶりにブログのアップ。


本日は実に久しぶりに症例を挙げておきます。


何しろ当院、日頃ぼやいているように1~3回で消える人が多数を占めますので、最後までとは言わないまでも、ものの7~8回すら来てくれる方は少数派ですから、なかなか症例を挙げづらい環境にあります。


そこのトコロを含めた上でお付き合い頂ければ幸いであります。(。-人-。)





状態


患者は40代女性。

数か月前から臀部に痛みがあり、それが大腿部裏側にまで範囲が広がり始めたと言う。

座骨神経痛かもしれない不安もあり、来院したとのこと。


来院当初はどうしても緊張や用心は付きもの。初日は「痛み」と表現されず「違和感がある」と少し曖昧におっしゃる。大腿部裏側も「たまに痛む」と表現。が、違和感でなく結構強い痛み。大腿裏も常に痛んだようだ。

大丈夫です、強引な売り込みは致しませんよ。


診るとやはり梨状筋の緊張。大腿部裏の痛みはそのトリガーポイント(放散痛)らしく、梨状筋症候群とまでは悪化していないようで、神経痛ではない模様。が、腰仙間(背骨と骨盤の間)の詰まりが生じた時に特徴的な痛みもあるので油断はできない。因みにラセグーは陰性。


それ以外にも、周囲の人から(特に美容院で)「肩が硬い」とよく言われるという。ご本人はコリなどの自覚は無いらしい。診ると僧帽筋上部が確かに硬い。肩甲挙筋も触診で硬化が認められた。


また、梨状筋の緊張はそれ単体というよりも、骨盤帯全体で考えた方が効果的だと思う。腰椎5番が左下方変位。その影響で4番。それから仙骨左上部にも可動性の悪さがある。


梨状筋緊張は治癒までに少し時間がかかることを告げる。



トリートメント


僧帽筋上部、肩甲挙筋のカウンターストレイン。筋・筋膜リリース。

腰部脊柱起立筋にも筋・筋膜リリース。

腰椎4,5及び梨状筋のカウンターストレイン。

梨状筋には併せて筋膜リリースも。仙骨も矯正。


臀部痛、大腿部裏側が緩和。肩は「軽くなった気がする」程度。あせる

初日を終える。



2回目以降も、およそ週一のペースで、大体で上記内容の施術。

あとは気付いたところをちょこちょこと加療。

3回目を終えると、だいぶ緩和してきた模様。が、仕事の都合上、間が少し空いたりして寛解、悪化が多少ある。


6回目を終えたころから日頃はあまり痛みを感じなくなるが、日が経つと痛むときがあり、特に車の運転中に気になると言う。

この方は仕事が主にデスクワーク。通勤が車なためほとんど一日中座りっぱなしの生活。

梨状筋は位置するところが“座った時に床面に当たる”場所なため、“当たる”刺激で緊張を誘発する(因みに特に男性は尻ポケットに財布を入れていると痛んだりする)。


そこで8回目を終えた時点で、低反発素材のクッションを使用することを勧める。

仕事の時の椅子と車のシート用に使用してもらうと、だいぶいい感じになってきた。


合計10回目を終えた時点で、もう大丈夫と思われ、終了としました。


「ホントは、とても痛くて辛かった。脚裏にまで痛みが広がってきたときには坐骨神経痛かもしれないと不安だった。安心出来るまでになってよかった」と嬉しいお言葉を頂き、冥利ってやつニコニコ



所感


梨状筋は、ホントなかなか厄介。

腰部と脚部を繋ぐ所に位置し、歩いても座っても負担のかかるところであり、ひどく悪化すると歩くことも座っている事も出来なくなる、という絶望感さえ感じさせる筋肉です。

仙腸関節(痛)、股関節(痛)にかなりの影響を与え重要な筋肉ですが、上記の通り一旦緩めても負担がかかり続けるため緊張が戻りやすい。


また、大臀筋という分厚い筋肉の奥に位置するため、指でリリースをかけようとしてもなかなか奥にまで届きにくく、どうしても肘を使用するため力の調整が難しく、患者に痛い思いをさせてしまう。その意味では直接リリースは、ハード手技に近くなる。

もちろんカウンターストレインやMETも使用するが、それだけでは不十分な印象が強い。


また、仙骨側の緊張が強いケースと股関節側の緊張が強いケースに一般に分かれるようだ。

当院ではキネシオテープの併用もし、効果が高いことが分かっているが、部位が部位なだけに特に“妙齢の女性”には使用しにくいのが悩ましいところ。



その他、この方の肩周辺の硬さは、それほど好転しなかった。

施術後はある程度緩むものの、少し時間が経つと硬さが戻ってしまう。

最終的におよそ4割くらい緩和したかな、という程度。


痛みとは不便な反面、便利なところもある。

ヘンな表現だが、そうなのです。

痛みがあると自然と庇い(かばい)、負担をかけることを避けがちになるが、そうでないとかまわずに負担をかけ続ける結果となるため、どうしても気を付けないので緊張が戻ってしまう。


保険の効かない整体業。コストパフォーマンスを考えると施術を継続するよりも日頃から軽い運動やストレッチなどした方が効果的と思え、この方にも勧めたが、


やってもらえていない気がするなあ…しょぼん




         しっぽフリフリ