埼玉県越谷市の陽だまり整体院は、
オステオパシーの整体院です
脊柱管狭窄症
今回の症例は、私が治療したと言うよりも、こんなことがありました、という内容になります。
近頃では当院に来られる患者さんも、罹患期間の長い方が多くなってきていて、しかも重症化した方が増えてきています。
ただ、途中で何らしかの治療を受け、ある程度は良くなったけれどもすっきりとはいかない、という方のほうが多くいらっしゃいます。
症状が重いと当然病院に行き、レントゲンや、しばしばMRIを撮ったことがある方ばかりになります。
で、以前は付いた病名が「椎間板ヘルニア」が一番多かったのですが、ここ最近の傾向では「脊柱管狭窄症」が多くなりつつあります。
脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る中枢神経を主として、しばしば椎間孔という背骨の脇から出る末梢神経も、脊柱内や椎間孔の変性により神経に触れて、足に痺れの伴う痛みを訴えます。
特徴的な痛みかたは、座っている時には楽であり、歩きはじめるとすぐに痛みが生じ、やがて耐え難いほどの痛みに変わりまして、前かがみになったり、座って休むと楽になり、また歩き出すと痛み始めるというものです。
アナウンサーの、みのもんたさんが罹患して有名になった腰痛の原因、と言えば話が早いでしょうか。
ただ、脊柱管狭窄症の病名を頂いた患者さんでも、どうもそうではないと思える方が多くいらっしゃいます。
手技療法で完治した、という話しも散見しますので、その場合は本物の脊柱管狭窄症ではなかったか、あるいはもしかしたら椎間板ヘルニアの場合と同じく、狭窄が痛みの主原因ではなかったのかもしれません。
この場合の「脊柱管狭窄症」と言いますか、それらしきものは、問題なくオステオパシーでその痛みや痺れは解消していくものと思われます。
前置きが長くなりました。
先日、朝起きたら突然足の方に、痺れを伴う痛みが生じていた、と言われ、とてもつらそうに来院した方がおりました。それまで腰痛はほとんどなかったとのこと。
坐骨神経痛であることは問診ですぐに想像がつき、ラセグー検査という坐骨神経痛の代表的な検査をしてみると、簡単に陽性の反応が出ました。
SD(ソマティックディスファクション=体性機能障害)はL4とL5のあいだ。
しばしば見られる前方変位でした。
筋緩和とカウンターストレインで矯正。
すると、坐骨神経痛が消失。
疲労がかさんだ末に、腰痛が「痛み」として突然発症し、いきなり坐骨神経痛にまで発展していたのかと思われました。
が、腰仙間の解放というテクニックを行っていると、非常につらそうな表情になりました。
「?」と言う感想。
これは腰痛や坐骨神経痛の方にはまず見られない現象です。
しかし、よほど痛めている方は痛みが伴いますので、かなり弱めの緩和に切り替えやってみるものの、やはり相当な痛みが出るようです。
で、再度L4のカウンターストレイン。
すると、その痛みは解消。
それを2度、繰り返しました。
が、結果は同じ。
で、その日はそれ以上の刺激は避けるべきだと判断し、カウンターストレインで痛みがかなり緩和したところでお帰りいただきました。
翌日、予想はしていたのですが、すっかり痛みが戻っているということで再度来院。
結果は初日と同じ。
カウンターストレインで矯正しても、ちょっとした刺激ですぐに痛みが戻ってしまうことはあまりにも不自然でしたので、問診を繰り返すと、どうやら深層筋の拘縮が原因ではなさそうで、器質的な変性が強く疑われました。座っていると痛くも何ともないということなので、MRIが撮れる病院へ行くようにお願いをしました。
その結果は、やはり脊柱管狭窄症との事。奇しくも(?)L4、L5間に認められたという話しです。
これは「本物の」脊柱管狭窄症だと思われます。痛みどめを処方され、だいぶ落ち着いているらしく、手術を検討中だと言われます。
まったくの器質的な変性を原因とした痛みや痺れは(周辺の筋肉等軟部組織が痛みの主原因である場合ではないという意味です)、手技療法の対象外だと思われます。あとは病院の範疇でいいと思います。
カウンターストレインで痛みが一時的に緩和したのは、筋肉が緩むことで椎間孔が少し広がり、変性した組織が神経に触れなくなったためと思われました。が、一時的なものでしかないのではないか?
えっ?、では器質的な変性のための痛みか、軟部組織の硬化が原因かの見極めをどうしたらいいのかですって? Σ(゚д゚;)
それは、やってみて、経過を見ないとわかりません…。