ルカは鳴り続ける携帯の電源を切ると、カツミの車に乗り込んだ。
『お久しぶりです』
ルカはあの夜以来、カツミに連絡をしなかった。
『もう連絡ないのかと思ってたぜ』
『寂しかったですか?』
『ああ…寂しくて寂しくて…』
別にあたしがいなくても¨女¨には困らないでしょう?
と、ルカはカツミに尋ねたかったがやめた。
『試験、行かなくてよかったのかよ?』
『もぅ…遅いですよ…』
もぅ…どんなに後悔しても遅い。
『怒られんだろ?』
『きっと…みんなから、めちゃめちゃ怒られちゃいますね』
『ルカはそんな大それたことをやるタイプには見えなかったけどなぁ』
¨カツミさん…あなたのせいですよ…¨
と、ルカは思うだけで口にはしなかった。
『で?どこに行く?どうせウチにも帰らないんだろ?』
『まだ…帰れませんね』
¨ずっと帰れないかもしれない…¨
『ラブホテルにでもしけこんでエッチしまくるか?』
『それだけはイヤです…』
『ふん…一回ヤッたんだから二回も三回も同じだろーよ』
『ドライブがしたいです』
『はいはい分かったよ、とにかく車出せってね』
ルカはこれからのことをしばらく考えたかった。
いや、これからのことと言うより¨父¨のことかもしれない。
父さえいなければ…ルカはそんなことを考えたりしていた。
カツミの運転する車は駅のロータリーを抜け、大通りを走り始めた。
続く
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