写真というのは面白いものである
どんなに笑顔の写真を撮っても
笑顔の中に悲しさや寂しさを感じることもある
またどんなに機嫌悪そうな顔をしていても
実は安心感の中でただ不機嫌なだけ
要は家族に甘えている表情だとわかることもある
ポートレート(人物写真)を撮影していると
基本的には笑顔の写真が多いが
実は笑顔ではない無表情の中にも
その人の感情も感じる
それが写真の面白さでもある
そもそも写真を見る人によって
その無表情の中に感じる
被写体の感情は違って見える
人から聞いた話だが
絵画などのアートにおけるポートレート(肖像画)は
笑顔の写真はほとんどないと言われる
笑顔ではない無表情の中に
感情を感じるのが
アートだと言う
写真業界の中でのポートレートは
被写体が一般ピープルでありながら
彼らはクライアントでもあるので
クライアントが喜んでくれる写真を撮ろうとすると
どうしても笑顔が多くなってしまうのである
とはいえ
もちろん無表情で撮影することもある
笑ったり不機嫌だったりする表情の中にも
そして無表情の中に感じるものはある
その感じるものは
その写真を見ている人の投影でもある
そう考えると
見ている人によって感じ方の違う写真のいうものは
心理学的な要素も含まれているように思える
そう思うと
表情があっても無表情であっても
ポートレート自体がアートなのでは
そんなことを思って見る写真も
面白いものである
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