昨年も私の楽しみの殆どは映画でした。

(残りは人の金で飲食かますこと)

 

映画をつくる、という一筋縄では到底いかないであろう仕事を選び、

無職の20代の、何をしてもろくでもない女に、

日々の緩やかな楽しみと栄養を与えてくれてどうにも最高です。



色んな映画ランキング、どれも最高。

往往にして私も参考にしまくっているのですが、ただ時々、

 

「何をしてもろくでもない無職女100人が選ぶ!

金なし!知識なし!愛嬌なし!人生ドン詰み!やってられるか!

でもちょっとカーディガン丸の内OLみたいな気分になりたい

〜何も考えず安い焼きそば食べながら観たい映画ランキング〜」

 

みたいなのがあればいいのになと思うことがありまして、

私が先陣をきって百人のうちの1人になろうというあんばいです。

こんなランキングあったら私みたいなくされ無職は飛び跳ねるのです。

 

2017年になって三ヶ月くらい経ってしまいましたが、

私は2016年も勝手にランキングをつけます。

(2015年のはこれ

http://ameblo.jp/hiccorohee0016/entry-12108163078.html

そしてスーパー個人的な感想を添えます。

批評をしたいわけではなく、勝手に書き連ねるだけです。

分かったくちをきかないということをモットーにやらせてもうてます。

 

20代の無職ろくでもない女は参考にしてくださいね。

参考にしつつちゃんとハローワークも通ってくださいね。

 

それでは昨年劇場公開されていたもののなかから、

まずは惜しくもヒッコロランキング2016ベストテン入りは逃したものの

素晴らしかったものをご紹介する時間にします。

観てないもののほうが多いと思いますが、思い出した順にどうぞ。

 

 

 

 

 

 

「サウルの息子」

 

信じてもらえないかもしれないんですけど、内臓全部ひっくり返りました。

元に戻るのに半日くらいかかりました。衝撃波が凄かったです。

観るの私は本当にしんどかったし、修行みたいな感じでもあったのですが、

希望も絶望も表裏一体、ラストが真髄、どうにも凄まじい強烈な映画でした。

 

 

 

「リリーのすべて」

 

美しいリリーがどんどん自己を見つけて生きる喜びを感じていく姿に心酔しました。

そしてしっかり「なんなんじゃこいつ!?自分勝手やの!?」とも思えて、

微妙に同情しきれない点も、私はとても良い映画だなと思いました。

最後、あのアイテムが飛んでいくシーンは気持ちがぶっ壊れました。

 

 

 

「疑惑のチャンピオン」

 

狂気じみた情熱と野心、抑制と欲求、歯止めの効かない感情、

様々な要素がスピーディですが丁寧に描かれていて面白かったです。

システムを作り出した一部の人間だけが常に甘い蜜を吸って、

そこを目指す人間たちは結局、翻弄されるだけ系のやつで興奮しました。

 

 

 

「エブリバディ・ウォンツ・サム!」

 

人生における「20歳前後のあの時期」の輝かしい感じが清涼感にあふれていて、

横道世之介みたい!横道世之介のあの感じに似とる!って興奮しました。

みんなの快活さと鑑賞後の爽快感とかもたまらなくて、

音楽とかもイケててええ感じで、観りゃあ勝手に元気になれて良かったです。

 

 

 

「ハロルドが笑うその日まで」

 

この世の大体の事はユーモアで解決できると信じている私にとって、

この映画はまさにそれを軽快なテンポで、かわいらしく表現しきっていて

最高に好みの素敵な映画でした。北欧の映画ってユーモアがごつめでよろしいです。

 

 

 

「ヘイトフル・エイト」

 

何もかもが大好き。音楽も会話もキャラクターも爆発的に私好みです。

私はやっぱりタランティーノの会話劇の大ファンなので、色々とたまらなかったです。レザボアドッグスの根性で引き続きお届けしてくるやん!すご!ってなりました。

 

 

 

「ズートピア」

 

序盤からほぼずっと号泣していて、

これ序盤からほぼずっと号泣するような映画なんかな〜〜〜〜????ちゃうよな〜〜〜〜??ちゃうことは分かるねんけどな〜〜〜〜???と思いながらも、序盤からほぼずっと号泣していました。

初めてズートピアに降り立った時の、あのウサギ目線の映像、高揚感、

こういうことになりたくて映画観てるねん〜〜てなりました。

 

 

 

「オーバーフェンス」

 

全員最高の中でも私はやっぱり蒼井優ちゃんが好きで、奇抜やけどちゃんと繊細で、

観ていて違和感はあるけど安心もできる、みたいな、

キャラクターそのもののアンビバレンスな様子が可憐でスーパー素敵でした。

山下監督ファンの中では賛否両論あるらしいですが、私は大好きな映画でした。

 

 

 

「Eight days a week」

 

ビートルズのドキュメンタリー映画、素晴らしい!

あのビートルズが「ひたむきな普通の男の子」に見えてきたのが凄くて、

こういうのがドキュメンタリー映画の真髄だと思っているし、爽快感もいかつい、

ラストのライブシーンも高揚しました。大人にチクリとかますシーンも良すぎてた!

 

 

 

「神様メール」

 

好きなんです、ジャコバンドルマルの監督作品。

「ジャコバンドルマル」のくちざわり良すぎ。西中島南方かえ。

色とか構図とかが北欧っぽいシャレっぷり爆発してて良いし、

あとこの人の映画、常に子役が最高なんですけど、

今回ももれなくエアと男の子のダンスシーン最高に可愛いくてたまらなかったです。

設定もキャラクターも大喜利かましててワクワクさせられっぱなしです。

 

 

 

「怒り」

 

登場人物も強烈に凄まじい表情するし、風景も綺麗やし、

物語はずっと緊張感もあるし、グワーン!となる瞬間が多々ありました。

私は広瀬すずちゃんの吸引力っぷりに度肝いかれました。

 

 

 

「ハドソン川の奇跡」

 

「マスメディア」「大衆」「批判」という現代を象徴する要素を盛り込みながらも、

なんとも優しい物語になっていた点が、私は非常に好きでした。

ちゃんと強烈なナショナリズムまで感じ取れるのですが、柔らかい仕上がりです。

オチのウィットかっこよすぎ。こういう時のアメリカ人のウィットえぐい。

ウィットただで配ってくれへんかな。

 

 

 

「ルーム」

 

ジャックが徐々に手に入れるようにして取り戻していく姿と相反して、

ママは失ったものを突きつけられていくこと、その変化の経過、それでも抗うこと、

その表現っぷり、ジャックの機微、閉塞感からの開放感、素晴らしい音楽、

こりゃもう本当に凄まじい映画でした。鹿威し鳴るくらいの量は泣けます。カコン。

 

 

 

「シングストリート 未来へのうた」

 

「夢」とか「愛」とか「未来」とかうたう映画や音楽って、ちょっとやっぱり、

気恥ずかしいというか、観てられないとこもあるのですが、

ひっくるめて全部いけるし、むしろいつまででも観ていたいくらいの感じです。

やっぱり子どもたちは夢見がちでいてほしいし、それがロマンチックで素敵でした。

 

 

 

「二つ星の料理人」

 

どういう生き方をしていても、当初の動機や理由の行方が分からなくなり、

目的と手段が混乱し、自分を信じる力と誰かを信用する力の関係が

いびつになる事はあると思いますが、その根底にあるのは結局情熱、みたいな、

私は良い意味で定番の映画が好きなので、とても良かったです。飯もうまそう。

ええ映画にはブラッドリークーパー大抵おる。

 

 

 

「ファンタスティック・ビースト」

 

エディレッドメイン可愛すぎてたまらん!それに尽きます。

もちろんファンタジックで楽しい映画でしたが、とにかく何もかも可愛い。

ニュートンに怒ってたカマキリみたいなんも可愛すぎました。

ラストの駅でのシーンも可愛さが爆発してて、チュドーン!と殺されました。

 

 

 

「ディストラクション・ベイビーズ」

 

故郷が舞台なのも相まって、私は共感度が高すぎて辛かったけど良い映画でした。

田舎町の閉塞感によってくさくさしてしまう感じとか、

無意味な鬱屈は溜まる一方で晴らしきれない感じ、それが凶暴性に変化する時、

周囲の大人の一挙手一投足で田舎の子どもたちの人生は揺らぐこと、

痛いところグサグサ刺されまくって、なんだか言い得ぬ気持ちになりました。

 

 

 

「グランドフィナーレ」

 

原題が「YOUTH」で邦題が「グランドフィナーレ」な時点でもう勝ってる。

情熱的に仕事に取り組むがゆえに、ライフワークバランスが崩れがちな全ての人たちと、

そういう人に対して腑に落ちないものを抱えている全ての人に見てほしいです。

映像もめちゃくちゃ綺麗で、音楽も凄まじくて素晴らしかったです。

みそくそに泣きます。

 

 

 

「湯を沸かすほどの熱い愛」

 

杉咲花ちゃんの「泣かないように、表情が歪まないように、唇を噛み締めてこらえる」の顔だけで感情大揺れ。

宮沢りえ巨匠大先生が美しすぎて「こんなお母ちゃんおるか!」ってなるのですが

その違和感もちゃんと含まってる「お母ちゃん」でたまらなかったです。

 

 

 

「マイベストフレンド」

 

女同士の友情、がテーマですしキーワードも女性ならではのことばかりなのですが、

特に性差を意識せずとも人間関係のあるあるの最大公約数のようにも感じました。

主演の女2人がこれまたスーパーイケてるし、どっちも共感できてまいます。

映画館では、女どもの嗚咽が響き渡りまくっていました。

 

 

 

 

「レベナント 蘇りし者」

 

色々と壮大すぎて、「あ〜映画を観たな〜!」が手に入ります。

ディカプリオが、時々、本当にライオンと落ち武者のハーフみたいにしか見えなくて

「?」てなったんですけど、その違和感も恐怖心を煽ってくるひとつの手立てみたいになっていました。

臨場感えぐすぎてVR化したらめちゃくちゃ売れそうランキング1位です。

 

 


 

「マネーショート」

 

とても小気味のよい映画で、それこそグッジョブでした!

所々、よく分からない経済専門用語的なものがあって置いていかれるのも、

こういうの詳しくなりたいな、知りたいな、と思わせられる興奮性の高い置いていかれ方です。

男の子たちが一喜一憂する姿は、可愛いらしい、たくましい、ええなあ!

 

 

 


「教授のおかしな妄想殺人」

 

ウッディアレンの本拠地・哲学をうだうだぬかすところも、美しい風景も、

ちょっと間抜けなよそおいのサントラも、少しの異常性や狂気っぽいのも最高ですが、

何よりやっぱり、最終的に女を許してくれるのが最高です!

ウッディアレンの映画にはやらかした女を許してくれよる男だらけで最高!

引き続きこの調子でウッディは頑張ってください!

 

 

 


「シン・ゴジラ」

 

ナショナリズム全開!

「大変やけどみんなで一生懸命頑張る」感じもとても良かったです。

ロバートロドリゲスとかタランティーノとかにB級アクションとして

リメイクしてもらえたらそれもまた最高〜!たのむ〜!と思いました。

 


 

 

「素敵なサプライズ」

 

嫌味もあり、深みもあり、痛快で、そしてちょうど心地の良い映画でした。

海辺でダンスをするシーンがたまらなく好きです。

執事のおじいちゃんのキャラクターと放つ台詞たちもとても魅力的。

ぜひともただのチックフリックだと思って観て頂いて、大いに裏切られてほしいです。

 

 


 

「イレブン・ミニッツ」

 

こちらもスーパー賛否両論あるみたいですが私は面白かったです。

私は群像劇とか会話劇とかが好きなので、妙な緊張感や不穏な気持ち悪い音の演出とか、

淡々と、の中に挑戦のバランスがある感じもちょうどよくて好きでした。

なんか真剣に観てる人を挑発してるような感じが漂っていて、そこが強烈にイケててクールです。

 

 


 

「スポットライト 世紀のスクープ」

 

記者たちの原動力が「正義感」で、良い映画でした。

カトリック協会、というものが、日本で生まれ育った自分にとってはそれほど身近なものでなく、偉大さが経験としてよく分からなかったので、

やはり「教会」というものが身近にある環境であったり、国の人たちや、分かる人にはより衝撃的やろうし、もっと心揺さぶられたんやろうなあと思いました。

でも十分に面白かったし、ラストも良かったし、記者たちイケてました。

 

 


 

「アズミ・ハルコは行方不明」

無機質な生活の中で不満を募らせていく女を演じさせて蒼井優ちゃんの右に出る女おる?!!?!

男となんとなくそうなっていく、みたいな段階の時の蒼井優ちゃんの絶妙な感じのファンです。

アニメーション映画を観てるみたいなテンポ具合で、真っ正面からサブカルチャーをくらう映画でした。

 

 


 

「マイ・ファニー・レディ」

 

なんでそんなことなんねん!?という無茶な展開が楽しくて、

ずっと可愛らしくて、なんともチャーミングな映画で素敵でした。

私オーウェンウィルソンが死ぬほど好きなのですが、プレイボーイ役たまらん!キャーッ!ってなりました。

しかし引くくらい老けてたので時々悲しくなりました。シュン

 


 

 

「キャロル」

 

この映画のテーマはセクシャリティであり、マイノリティである事は確かで、

でもそれらをぶっ飛ばして、ひとつの恋愛物語として見ることができて、それって本当に凄い事だなと感じました。

細部に至るまで全てが瀟洒で、もうこんなもんは好きに決まってます。

 

 

 

 


それではヒッコロランキングベストテンです。

 

 

10位「さざなみ」

 

選ばなかった、あるいは選べなかった選択肢に憧れてしまう事、

選んできて築いている現状を自己肯定する事が最良とは分かりながらも

そこにわだかまりがあってしまう事が、なんだか胃が痛くなりました。

一日だけ放置されている事に気付いた時の痺れっぷりはたまらなかったです。

これは私ちょっと凄まじく感情がぐちゃぐちゃにされました。

 

 

 

 

9位「永い言い訳」

 

染みるみたいなセリフの応酬、登場人物全員最高です。

でもやっぱりろくでもないモックン!マジでモックンろくでもない!

みんなもっとろくでもないモックンを見て!?ってなります。

肯定も許容もできないこと、理由と言い訳、とにかく本当に良い映画でした。

 

 

 

8位「この世界の片隅に」

 

こりゃもう凄かった。言わずもがな。

のんちゃんマジでがんばれ!

 

 

 

7位「マジカル・ガール」

 

非凡な内容と壮絶な展開なのですが、独特な妙な軽快さがあっていけます。

バルバラの頭おかしさとかわいげのバランスがすごい。

あと色んな事にいちいち「なんでや?!なにがや!?」となるのも含めて、

すべてが異常でおもしろかったです。私はあのラスト完璧でしかないと思ってます。

 

 

 

6位「ブルックリン」

 

故郷があり、都会に出てる若い女すべての身に染みるやろ!やめとかんか!

最終的な選択を決めた時の理由に、本当に心が砕かれたような気分になりました。

こんなん女は好きに決まってるからしゃあないです!

これこそ色んな事に疲れた時に焼きそば食いながら観たい映画です。

 

 

 

5位「ドントブリーズ」

 

めちゃくちゃ怖いし、めちゃくちゃおもしろい。

おもろすぎて「いやこんな設定おもろいに決まってるやん!」なのですが、

でも展開もずっとおもしろくて、ちょっとえげつなかったです。

「まだ観てない人が羨ましい」という感覚を初めてくらわされました。

私は見てないのですが、ホラー映画は「イットフォローズ」も話題でしたね。

怖さは「ドントブリーズ」を超えるという説もあって、これ超えることある?!!?!ってなってます。




 4位「パディントン」

 

「とぼけた熊の紳士」このキャラクター設定わけわからなさすぎて良すぎてます。

めっちゃくちゃ素敵でかわいらしいとぼけたパディントンと、その他大勢に、

心、鍋の時の白身くらいいい塩梅でほぐれる良い映画です。

ユーモアも効いてて笑えて、とにかくほっこりできて最高でした。


 

 

3位「ブルーに生まれついて」

 

ジャズトランペット奏者、チェットベイカーの映画。

私はジャズもチェットベイカーも好きなので、色々たまらなかったです。

才能というものが人に栄光を与え、また孤独も与えていく様子、

「不安定」や「不完全」というものすらこの表現者にとっては不可欠なのかもしれないとさえ思わせられる感じとか、

もう全員が素晴らしくて、イーサン・ホークとか、ほんま会ったらバリ褒めてあげようと思います。


 

 

2位「アイリス・アプフェル」

 

これは弱ってる女は観たら一発。何歳になっても観たい、

年齢を重ねれば重ねるほど素敵度が増しそうなドキュメンタリー映画です。

変な服のおばあちゃんが、正直にかわいく明るく生きてるだけなのですが、

観たら勝手に元気になれて最高、こりゃオールタイムベストです。

 

 

 

1位「ロブスター」

何かを作る時、そこにどうしても自身の思想や意図は組み込まれますが

(いわゆる「メッセージ性」てきな)

それを「表現」する深さと幅は果てしなく、探求する作業こそが面白いを生むのだと感じました。

ユーモアの最強性が際立つばかりで、私の好きな種類のおもしろいでした。

それぞれのキャラクターも最高で、森の中で個々が踊るシーンもイケてて大好き。

 

 

 

 

書くのほんま時間かかった。

空き時間にこつこつ書いてたら三ヶ月くらいかかりました。

(ぎゅっとしたら2時間くらいのはずと信じたい)

(こんな事してる暇あるんやったら仕事しろとか思われたくない)

(書きよったら消えたりしてほんま囚人に脱走される看守の気持ち分かった)

(自分が囚人になった時は脱走だけはせんとこうと思っていて偉い)

 

映画を観に行くのも、本を読むのも、美術館に行くのも、自己採点70点以上のものができた日にしかしないというスーパーヒッコロルールを定めておりますが、

ちょいちょいズルしてしまう日もありまして、

今日はこんなもんで…まぁこれもギリ70点として…とペンを置き、ノートを閉じ、映画館に向かう日もありました。


そしてこうして振り返ってみて、自分が娯楽に投じた金額と時間に、取り返しのつかないことをしてしまったような恐怖が生まれております。

趣味やし素晴らしい映画を観ることができたことは最高でもあったのですが、

今年は少し我慢するか、せめて後悔や懺悔に似た気持ちを抱かずに済むよう趣味を楽しむために、きちんとルールを守りたいと思います。グエ


しかしいかにも無職の20代女がつけたランキングですね。

無職20代の女は参考にしてね。

やっぱり参考にする前に仕事探してね。

親孝行してね。私もそろそろハローワーク通うね。