満足を書き出そうと思えば、それもまたいくらでも書き出せるような気もして、
ユニコーンでも聴けば素晴らしい日々で力あふれ、ジャニスジョップリンはいつでも祈りを捧げてくれる、レイチャールズはロードジャックで、ウルフルズはバンザイガッツだストラット、
ペパーミントパティは笑わせてくれて、フルハウスは微笑ましてくれる、西加奈子はそのどちらもを満たしてくれるし、
日々の喜楽は外的要因で左右され、あるいはできる、涼しい風が通り抜けただけで、わたしはもう満足なはずが、
一方でやっぱり、ばかだねあたし愛してもらえると思ってたなんて、蒼い時代のことやから忘れてください、中島みゆき大先生と、野狐禅のシーグラスにぐるぐるされていたい、クリームのホワイトルームでニルバーナにレイプミーで、ラベルのパバーヌを浴びてラフマニノフのボカリーズに浸かって、
戦場のピアニストは無心にさせてくれるし、ダンサーインザダークはとびきり憂鬱にさせてくれる、そしていつだってわたしの夏の闇も輝ける闇も開高健のロマネコンティなのです、
いつもお腹の奥の方からふつふつと浮かびあがる鬱々とした気持ちに、代弁者を求めて擦り寄りたいのが本心で、
打ち消したいのか上塗りしたいのか、いつも両極端な二面性を孕んでいます。
朝起きるのに時間がかかるようになったなあ、寝つきが悪くなってね、酒が入ると感情的になりやすくなってる気がする、
夏がゆっくりとシュレッダーにかけられていっているような季節に、
空を見上げたところで何を叙情的になれるでもなし、引っ掻き傷みたいな電線だらけの空なんて見ても感性に何も訴えかけない、いつまでも続くわけじゃなし、いつまでも続けていくわけじゃなし、いつまでも続けていっていいわけじゃなし、
でもわたしはいつまでもは続かないだろうということも分かっている、こんなに苦しいのはもうすぐ終わるのだから、こんなに苦しい毎日は絶対にもうすぐ終わるよ、
一過性のもので、二度と手に入らない苦しい毎日だから、そのくらいの楽天性で、これはこれを楽しもうと思います。
勝てば官軍で、負ければ賊軍です、大義も正義もあってないようなものです、
じゃあわたしはまず勝たなければいけないと、それを知れた時点で問題の八割は解決したも同然で、
なめくさってきたやつの顔も名前も、言われた言葉も、こっちはずっと忘れません、
された側は、一生、いや転生しても、覚えているものなのだということを、
切れ切れになった紙くずが知らせにきましたが、それが正義の切れ端だったことに気付いた時にはもう、スノビズムの亜流どもが大正義・官軍様でございました。