そこいらの23歳の女子とは何もかもが違うといってもいいような暮らしを、
濡れた紙コップですくいあげたところで、その重みに紙が負けてしまうから、
何かに替えたところで、耳の穴は大きくなるばかりで、
上唇と下唇は固くひっつくばかりで、指の動きに追いつかないタンゴ、
許すも憎まないもないようなたばこの火の消し方、
それで満足かと聞かれて嘘でも満足かと答えてやりたい、
なぜなら、それで満足かと聞くようなやつの、眼球を、えぐりとってやりたい、
もうそんな、そんなわけのわからない欲求だけで、
七月三日、日記を書いては、公に晒して、
これを醜態と呼ぼうものなら、渇望の予防をしなさい、四番の背後にまわりなさい、
思いもよらない鼻の形に明くる朝になることが決まっているのだから、
安堵しなさい、ぐっすり眠りなさい、この指の動きに追いつくはずのないサンバ、
嫉妬が液体だとするならば、オイルのようにぬめぬめと、
そう思っていたら本当は違って、水と見間違うかのようなさらさら、しゃばしゃば、
だから間違えて飲んでしまいました、ごくごく、ごくごく、飲んでしまって、
ああ冷水じゃないな、なんだか喉が焦げてしまいそうよ、
胃の中からたくさんの腕が溢れてきて、もう口だけじゃ事足りなくて、したたる腕、
何を気にして生きていくのか、それだけのことを、網目数えるみたいにして、
その網目から、腐ったキーボードがぽろぽろとこぼれ落ちてきて、
U、X、C、F3、DEL、いや何の意味もないんかい、そういうこと、そういうもの、
何の意味もなかったりする、諦観して定款して安心して、くりかえし、
武器が何だ計算が何だふざけるなママゴト野郎と言いたいです、
わたしからしてみればもう全てがママゴトで全てが紙クズで、
ああだとしたらこんな暮らしの重みなんてひとつもないわいねと、
結局、あざ笑う対象を探して、奥歯を噛んでよくけたけたと、噛むタップ、
この歯の動きに追いつくタップ、気が付けば通り越していくタップ、
どんなにいいスピーカーがあったとしても、お金があって、丁寧な暮らしを、
人様に迷惑をかけず、まじめに、それでも、踏み倒されるじゃないか、
じゃああんたは経験したのかと、裏はとったのかと、とってないなら逮捕はできない、
浅はかな語彙がごろごろ流れ出てくる、口のなかに入ってくる、ごろごろ、ごろごろ、
口が開ききらなくなっちゃってね、もう、そのまま、いつのころからか、諦めたように、
力を入れることもしなくなって、こんなのはもう、あれみたいだなあって、
あれというのは、青空、小鳥、ちょうちょ、花畑、いつか行った大きな公園、
淀みなどなかったような気がするけれど、本当はあちらこちらにあって、
うまいこと見つけられなかっただけだなんて、情けない話だから、
あれは綺麗だったね、あれは良かったね、そうすることでしか、
靴を脱いで家の中に入れない、結局、全員、スーパーウルトラエリートシロガネーゼ、
朝は残念ながらある一定時間を待てば来ます、残念ながら、
嘘をついて愚痴をはいて認められようと塗りたくって、
それスプレーにしてコーナンで売ってほしいね、スーパー塗料、
あなたの人生、過去の経歴、恥ずかしい思い出、
こちらのスーパー塗料なら全てを塗り固めてしまいましょう、
お値段なんと200万、みんな買います、買いましょう、こぞって駆けつけ、
ぽんとはいよと200万、税込210万、209万しか用意できなかった負け犬、
それでもあなたは、スーパーウルトラエリートシロガネーゼ、
懐にいくらあろうがなかろうが、変わらない皮膚を外国人は、そう呼びます。