ひさびさに
彼の夢を見た
闘病中でも元気に
生活出来ていた頃の
彼だった
余命を宣告されているというのは
残酷なことで
死という言葉のほかに
生きてという言葉も
私には使えなかった
生きての前に死が付く気がして
でも言いたかった
少しでも長く生きて
少しでも余命を伸ばして
言えたのは最後の最後
急変して救急車を待つあいだに
まだ嫌だよの
一言
もっと前から言いたかったのに
その思いからか
夢に出てきて
彼の眠る枕元で
今を知る私が
頑張って長く生きて欲しいと
言いたいけど言えず
言おう言おうと
口をあけようとして
ためらってるうちに
彼が目覚めてしまう
結局、夢でも言葉に出来なかった
けれど
私は目覚めた彼に言った
今、私が念じていた言葉
わかった?
そしたら彼が言った
はっきりわかったよ
わかってるよ
それは
遺された今の私に
一緒にいた頃の
おまえの気持ちは
すべてわかってたと
言わんばかりに
心を溶かしてくれた
まだ嫌だよと
言ったのに
そこから18時間ほどで
逝った彼
彼にも私に伝えたい事が
きっとあっただろうな
でも
私もわかってるから
夢に出てきてくれて
ありがとう