「風の旅行社」さんという旅行会社さん主催の
『冬のラダックと「氷の回廊」チャダル』
写真家・山本高樹さんによるトーク&スライドショー
に行ってきました。

photo:01



ラダックとはインドの最北部、ヒマラヤ山脈に囲まれた
高原地帯で標高3000mくらいにあるところです。
チベット文化圏で写真で見る光景は、
まさによく写真で見るチベットのよう。

真冬には-30度になることもあるくらいの極寒の地。

山本さんは約1年を通してホームステイをして真冬を体験して、
ラダックの冬がとてもすきなんだとか。
葉っぱが落ちてさみしげな木がのびる空の写真を見て
この光景がとてもすきだと言っていた。
それにはとても共感した。

冬が厳しいと食物も限られるので、葉物など緑の野菜はない。
根菜が主で、それとお肉。
冷蔵庫はなくても、外に放置しておけば自然に凍る。
冬中そんな感じだそう。

新年の地元のお祭りも体験したようで、
こんな体験はホームステイでもしなければできませんよね~。
体験してなくとも、その人からお話が聴けたというのも
貴重なことだったかも。

そしてそれだけの極寒の地なので川が凍って
そこをトレッキングしながらさらにさらに山奥の村へ行く。
村のこどもたちはとても素朴でかわいかった。

大体この土地に日本人がいるという事が地元の人には珍しく、
その土地の文化が残っているということは
他の文化が入ってこないということで
それは良く言えば伝統だとか変わらずに大切にしていることになる。
裏を返せば、それだけ狭く、変化はなく、孤立した土地なのだ。
他の世界を知らずに、そこで生きて死ぬ。


知るのが幸せか、知らないのが幸せか。


けっこうこれって人間の永遠のテーマな気がする…。



この写真展&トークショーを見て思ったのは
まるで自分の故郷のようだなという事。
おおげさでもなく、本当によく似ていると思う。
弟が見たらきっと同じことを言うだろう。

私があの田舎を出て、東京に行きたい、海外にも行きたいと
思ったのはいろいろ知りたいと思ったからだ。
何も知らずにこのままここで生きていきたくないと。

でも、ラダックの人たちは違う。
(いや、中には私のような人もいるかもだけど)

みんな、幸せそう。そんなの私にわかることではないんだけど。

他の世界があって、そこにはどんなものがあるかを知らないから?

雑誌やラジオやテレビがあって、
この村を出ればいろんな服や食べ物や曲や
今近くにはないものがあることを私は知っていた。

ラダックの人たちは、知らない。たぶん。いや知ってるのか?

うーん、たぶん知らないと思う。

逆に言うと、もしかしたら山本さんはラダックみたいな冬の厳しさや
孤立するほどの田舎の独特の雰囲気を知らなかったからこそ新鮮で、
「知らないものがある」ラダックに惹かれたのかも知れない。
もしかしたらどんどん知っていって住んでしまうと
また違うことを感じるのかも知れない。

あ、でも懐かしい感じ、とか、惹かれる理由は特にない、
言葉にできないみたいなことを言っていたなあ。



「知る」っていうことは人生をも変えてしまう、
すごいことだなあ、とおもった。


そして私がラダックに行くことがもしもあったら、
やっぱり懐かしいって思うんだろうか。興味がある。







あ、このイベントはパタゴニアの店内でやりまして
パタゴニアの店長さんが言ってたんだけど、
冬は長いお休みをもらっていろんなところへスキーなど
しに行っているんだそう。

それで思い出したんだけど、パタゴニアは創業者が
「社員をサーフィンに行かせよう」っていう本を出しているくらい、
仕事と遊びの両立を大事にしている企業なんですよね。

…パタゴニアに就職したいなって思いました(笑)


社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論/イヴォン シュイナード



¥1,890

Amazon.co.jp