ある商店街に | 寅のゆる〜く暮らそう

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すっかり歳を重ねてしまいました。日々体力と向かい合いながらあと少しの人生を楽しんで行けたなら幸せだと思っています

毎日通る商店街の一角に

昨年末にローソンが開店した
 
その場所は以前にもコンビニが
たしかサンクスだった気がする
 
その閉店後、半年以上
店はそのままになっていた
駅近くの賑やかな通りから
少し奥まった商店街の中にある
 
閉店した店は買い手がつかないのか
手付かずで半年以上もそのままに
 
やっと12月オープン予定の貼り紙が
ガラスに貼られた
なぜかホットした
身内でも無いのに
 
オープンしてからまもなく1か月経つ
朝早い時間もあってか
コンビニの前を通る時は
誰一人と客はいない
 
たまに一人の客の姿を店の中で
見かけるとなぜか嬉しくなる
 
この店は続けて行けるのだろうか
そんな事を考えながらも
僕と言えばいつもその前を通り過ぎて
駅近のセブンの店に吸い込まれて行く
 
そこは出勤前のサラリーマンたちが
おにぎり、パン、コーヒーなど持ちながら
列をなしている人気店
その列の後ろに僕も並ぶ
 
駅通りから少し奥まった
あの店とはかなり異なる
そこまであの店が気になるなら
お前がいつも利用すれば良いと
言われても仕方ない
そうだなぁと心ではわかっていても
 
慌ただしい朝の時間節約のため
駅近のセブンでいつものように
おにぎり2個を買い
店の電子マネー端末機にかざす
いちいち財布を取り出す
わずらわしさもなく
便利さを優先しながら
そんな毎日を繰り返している
 
今日は少し時間に余裕があった
いつものローソンの店の中は
相変わらず客の姿が無い
 
本当は今日は仕事場近くで
お気に入りのパンにしようと
昨日から決めていたが
僕はローソンの店内に入っていた
 
おにぎり2個とパンを買い
いつもの電子マネーではなく
リュックを下ろした
中から財布を取り出し
343円をレジに差し出した
 
今朝は
僕はいつものセブンに寄らず
駅の中へ真っ直ぐ向かう
 
まだ薄暗い時間の中で
寒そうに歩を進め
電車に飛び乗って行く
人々の背中を見ながら
僕はホームの階段を
ゆっくり降りて行く