『な』


僕はな 君のな

優しいとこいっぱい知ってるんだな

とってもさりげないから

目立たないけどな


君は本当に優しいよな

例えば


たまに仕事が忙しい時は

お弁当作ってくれるよな


ひざまくらをして優しく

耳掃除やってくれるよな


ショッピングモールのフードコートいったら

紙コップめっちゃ小さいから

いっぱい水飲むタイプの俺に

2個入れてきてくれるよな


テレビ見てたら若手の俳優出てきて

今キテるイケメン俳優さんでーすって感じで紹介されて

スタジオが、かっこいいー!って盛り上がってる時も

「そうかなあ、私あんまタイプちゃうけどなあ」

ってテレビ見ながらひとりごと言うことによって

俺の嫉妬心を刺激せーへんようにしてくれるよな


男がいる飲み会いかへんよな

元彼の話せーへんよな

元彼のこともう忘れたとか言うよな

まあ別にあんま気にしてへんねんけどな


2人でたこ焼き食べてる時に

最後に一個余って俺が

「最後の一個食べてええよ」って言ったら

「ううん、いいよ、あなたが食べて」って言うから

「なんでなん、遠慮せんと食べーや」

「いやいや、ほんまにええねん」

「ええってええって、たこ焼き好きやろ?」

「好きやけどもういいねん、食べてくれていいよ」

「え?ほんまに言うてんの?ほなほんまに俺食べるで?」

「うん、いいよ。正直、私お腹いっぱいなってきてん」

グーーー

「いや、お腹鳴ってるやんー!そういうとこ好きやなー!」


なななななななな


マクドのナゲットのソースは

バーベキュー派だった俺が

今はすっかりマスタードの方が

しっくりくるのさ


そんな風に君に染められていく俺を

俺は嫌いじゃない

君と染め合って作る毎日を

俺は愛しているんだな


なななななななな