『アネモネ』


君の怒った顔が怖くて

いつの間にか伝えたい言葉より

君の聞きたい言葉を探す癖がついて

自分はなくなってた


ぬかるみに建てたドミノ


雨が降ると身が削れて

風が吹くと想いは痩せて

写真のアネモネは枯れて色褪せていた

今も心残りなのは

もっと傷つけばよかった

僕が初めて怒鳴った相手は自分だった


僕さえ我慢すれば

全ては上手くいった

好かれなくてもいいから

嫌われないように立ち回り続けた

幼少期からの癖だ


皮の厚すぎる果実


悲しみは海に沈めて

怒りは空に葬って

いつもコピーペーストのような微笑み

よかれと思ってしたことが

嫌われる理由になってた

君が初めて泣けた相手は僕じゃなかった


崩れてしまったドミノ


雨が降ると身が削れて

風が吹くと想いは痩せて

写真のアネモネは枯れて色褪せていた


楽しいことなどないのに

身に覚えのない笑顔で

無機質な愛が咲かせた睡蓮の花

今も心残りなのは

もっと傷つけばよかった

僕が初めて怒鳴った相手は自分だった




※アネモネの花言葉「はかない恋」

※睡蓮の花言葉には「滅亡」があります