『今日よ終わらないで』


「おやすみ」辛うじて言った

いや、音は出なかった

水槽の中にいるみたいだ

全部青がかってる


眠れないんじゃない

眠りたくないだけ

区切りをつけるのが怖くて


今日よ終わらないで

僕は何も始まっていないのに

今日よ置いていかないで

僕を取り残したまま


「おはよう」聴こえてきた気がして

ぎゅっと目を閉じ潜った

静かな暗闇の世界に

そっと助け求めた


整理整頓された

言葉の羅列に

段々追い込まれ苦しくて


今日よ終わらないで

僕は何も変わっちゃいないのに

今日よ置いていかないで

僕はまだここを動けない