『蒼』


僕の体調不良を

吸い取りたいと君は言う

眩しく儚い愛の余韻に

僕は目を細める


見上げた先 乾いた蒼

大小の白い鯨

横切る鳥 羽根光らせ 

未開拓の明日へ急ぐ


ついこの前までは僕も

そこにいたのに


吹けば飛ばされるような

華奢い夢の強さを

試す雨に問う嵐に

晒す風に君と挑む

まだもう少し付き合ってよ

必ず暁を見せるから

口に出すのもためらう

誓い飽きた約束

増える未開封の詩


理想だけじゃ現実は

痩せ細っていくばかりで

暗闇から伸びる手

悪魔の囁きを振り払う


うつむく先 波打つ蒼

弱肉強食の渦

群れをなすもの 孤独なアウトロー

生き抜くメソッドは十色


いつまでも歌い続ける

ヤドリギの鳥


吹かれ飛ばされてしまった

華奢い希望はまだ

名残惜しそうに煌めくから

拾い集め君と挑む

近そうで遠い暁

心もとないトタン屋根

散らかった机の上

ぼんやりと照らされて

並ぶ未開封の詩


夢を語りながら見上げても

溜息混じりにうつむいても

僕らの瞳には綺麗な蒼が映るように

世界はできてる