『鬼』


心痛は透明の重り

薄い分銅のように

じわりじわり徐々に

心臓を下に千切る


今も私が許せませんか?

いつかはあなたを許せますか?

錯綜する憂い 記録的積雨

ぬかるみに埋もれ 泥の半身


それでも生きろ たくましく

守りたい人がいるんだろう

力に変えろ 物言わず

来た道がいつか代弁者

鬼はそこが地獄だとは気付かない


意味や意義は喰った

むしゃくしゃムシャムシャリ

意志や意地は飲んだ

ことごとくゴクゴクリ


あしらうことは不誠実ですか?

向き合うことが優しさですか?

疲弊する魂 壊滅的絵空

酸素の足りぬ 地上の暮らし


それでも生きろ たくましく

守りたい人がいるんだろう

力に変えろ 物言わず

来た道がいつか代弁者


最後まで信じ続けろ

周りから人が去ろうとも

想いの核は手離すな

愛想笑い浮かべてでも

危惧せずとも何処にでも花は咲く