I-NOTE RECORDS設立理由その一 | Hibikillaオフィシャルブログ「ソコが丸見えの底なし沼」Powered by Ameba

I-NOTE RECORDS設立理由その一

さて、今回はレーベル設立理由をざっと書いてみることにします。業界内の人には当たり前すぎる話なのでそういう人は飛ばし読みしてください。

わたくし、縁あって今までに3枚のフルアルバムを2枚はメジャーレーベルから、1枚はインディーレーベルからリリースさせていただいているわけですが、訳あって4枚目のアルバムは自分で立ち上げたレーベルI-NOTE RECORDSでリリースすることにしました。その理由は自分のビジネスを持つことの重要性を認識したことや、自分の理想とする音を出すためにはやはり自ら出資する必要があるということ、さらには才能がありながら埋もれているアンサインドハイプたちを世に出すプラットフォームを作る必要があるという使命感など色々あります。

そして、もう一つの大きな理由は、今までに発表した作品は全て作者であり歌唱者である俺に入った金が思った以上に少なかったから、でもあります。今までは例えば、2500円のCDが一枚売れて、印税としてもらえる額は数十円でした。どんなにオリジナルなフローを生み出したとしても慣例としてラップとかレゲエDJには作曲印税が発生しないし、本来あるべきアーティスト印税ももらったことは一度もないです。それでも何とか食えてきたのはバンドじゃなくソロでやってきたことと、レゲエ特有のダブというありがたいシステムがあったからである。もちろんメジャーレーベルのならではのメリットもありますし、今まで関わってくれたスタッフの皆様には感謝の気持ちしかありませんが。

とにもかくにも、業界の慣習として温存されていたシステム―リスナーが払ってくれたお金がアーティスに届く前に、小売店、卸、レコード会社、所属事務所、JASRACにそれぞれ配分、徴収され、しかる後にアーティストのもとに届く(時には届かないことも)―の中では自分のような中間層のアーティストは総おまんまの食い上げ状態に陥ることが多いのであります。

この音楽不況(と言われる)時代、このシステムの中で窒息寸前のアーティストは多いのではないでしょうか。俺は1万枚売れてもバイトしてるアーティストをいっぱい知っています。もちろんコンスタントに10万枚売れ続けているアーティストならば問題ないのでしょうが、自分のような「そうでない方のアーティスト」が乗り切るためには…そう考えたとき出た答えはおのずとレーベル設立しかなかったという次第です。

ついでに言っておくと、最近違法ダウンロードが多いからCDが売れないって言う話、あれは嘘ですな。昔は俺もFMラジオをテープに録音して聞いていたし、その中でかっこいいと思った作品はCD屋に行って(時にはさらに高い7インチシングルで)購入してましたから。今の若いリスナーもそれと同じ感覚でダウンロードしてるとしか思えないから『ブブゼラ』だってフリーダウンロードにしたわけだし。水道水とミネラルウォーターが共存できてるんだぜ?っていう。

そんなわけでI-NOTE RECORDSでは音源制作を行うのみならず、流通にもメスをいれ、通販と現場でのお客様への直接販売を基本とし、中間業者や小売店は本当に格安の手数料でやってくれるとことしか契約しないです。もちろんダウンロード販売も行う予定ですがこちらはまだ業者選定中ですんで、われこそはという業者の方i-note★auone.jp(★=@)まで連絡下さい。

音楽は金のためじゃない。それはその通り。ただ、俺がその言葉を口にするときは、現状に甘んじる方便や売れている人間への嫉妬は存在しないよ。妥協せずいい音楽を作ろうとしたら少々の金が必要だ。「One for the money two for the show」その通り。プレスリーのいうことは間違いない。俺にとっての金はハイローラーな生活のためではなく、妥協なき音を作り、それを求めてくれるリスナーの対価によってさらに妥協なき音を提供するという、正しくも幸せな連鎖を作ることのみに使用されるだろう。

ま、偉そうなことを言う前に行動あるのみってことでまずはレーベル立ち上げから。

こっから面白くなるよー。とりあえずこのネタで一曲作ります。リアルな音楽ってそういうことでいいですか?

今日の一曲はMad Cobra - Draw Mi Out