日本明治経済史考 江戸時代から明治時代の経済の流れとは? | 日々是学ぶ!

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歴史は糸玉のようなもの、とわたくしめは思っております。
歴史はありとあらゆる出来事が絡まって出来上がる物でどの糸を辿るかで糸玉の色は様々に変化致します。
わたくし大宅世学、未だ未熟者ながら皆様と歴史を観測し語り合いたく存じます。

歴史とは糸玉の様な物、見方によって全体の色が大きく変わって見えるもので御座います。そこで今回は経済という視点から歴史を見てみると致しましょう。

まあ元はと言えばあのハッシー君がまたぞろ経済について語り始めた事に由来する。ハッシー君と話しているといろいろな事に考えを馳せることになる。

そんなハッシー君の、本人曰く人気のない記事がこれで御座います。

彼の話を簡潔に纏めますと「日本が朝鮮を征服したのは外需を獲得するため」というもの。

うーん。には申し訳ないが、経済という物をナメているのではないか?ハッシー君よ。

何故なら歴史学と経済学だったら圧倒的に歴史学の方が簡単だからだ。

歴史学はもう死んだ世界を観測するもの。そこにあった事実を淡々と調べるのが歴史学である。(専門家の皆様、お許しください)

だが経済学は違う。経済とは人と人の繋がり、営みを全て数値にして計測し、その現象の中に類似性を見つけていく学問である。

何が言いたいかというと滅茶苦茶難しい。数学を駆使しつつ様々な経済的事象を論理的に説明せねばならない。

故に日本史の中でも最も難しいと言われているのが経済史である。

なんでこの様な結果になったのか?どうしてこの様な動きがあったのか?

これらを説明するのは非常に難しい。まず日本国内の要因、そして日本国外の要因を一つ一つ調べねばならない。

正直私の脳味噌には厳しい。しかしそれでも少しずつ綴って行こうと思います。

もし間違っていたり、疑問があったら遠慮なく言ってくださいませ。

【日本幕末から明治の経済】

ハッシー君のブログでは、次のような説明がされている。

①日本政府の贋金造りが諸外国にバレ、信用が無くなる。

②日本は輸入超過になる。経済がピンチに。

③外需を求めて征韓論がおこる。

さて、これはまだ始まりに過ぎないが、早くも妙な点がある。

まず①日本の贋金、これがまずわからない。

知らべても出てこない。当然私の資料になんか載ってない。

これはサンメリーダの梟氏によると幕末の藩が行ったものの事だろうとのこと。

政府じゃないじゃん・・・と思いつつも更に変なことが書いてある事に気づいた。

②日本が輸入超過になる。これっておかしくないか?

ここからは私の超基礎経済思考を基にして書き込ませていただきます。ご了承ください。

仮に日本とイギリスの間の貿易で考えてみましょう。

そしてこの世界では日本銀貨とイギリス銀貨が同じ価値を持っている(日本銀貨1枚をイギリス銀貨1枚と交換できる)としましょう。

イギリス商人の立場から考えてみよう。彼はイギリス銀貨10枚分の商品を積んで日本に来た。

日本とイギリスとの間には条約によって関税がかからない(正確には凄い小さい)。故に彼はこの関係を使って大儲けしようと思ったわけだ。

そこで彼はこの商品を売りさばいた。

ここまではよろしい。問題はここで彼がどの銀貨で代金を受け取ったか、ではなかろうか。

交易地は日本である。ならば彼は日本銀貨でこの代金を受け取ったと考えるのが自然ではないか。何故ならそも日本の商人がイギリス銀貨を持っていると考えるのは不自然だからだ。

つまりイギリス商人はイギリス銀貨を商品に替え、それを日本銀貨に替え、最後それをイギリス銀貨に替える事になる。

となるとこの贋金によって輸入拡大はおかしな流れになっていると気づくはずだ。

仮にこの流れのまま、シュミレーションしてみよう。

イギリス商人は仮にこの商業で日本銀貨15枚を獲得した、としよう。

彼はこれをイギリス本国に持ち帰り、そこで日本銀貨とイギリス銀貨を交換しようとした。(ハッシー君の理論によるとイギリスは日本を食い物にしようとしたらしいので、この様な動きになる)

しかしその時、日本銀貨に偽造銀貨が混じっているという噂が流れていた。

銀の含有率が疑われた結果、日本銀貨20枚イギリス銀貨10枚が同じ価値であると市場が判断したとしよう。

するとこのイギリス商人が持っている日本銀貨15枚イギリス銀貨7枚半にしかならない。投資した10枚よりも低い。

これを避けようと思ったら日本銀貨をどこか別の国で替えてしまうしかない。

が、当然そこでも日本銀貨の価値は疑われている。

これでは日本に輸出しよう、なんて考える商人は少ないのではないか。

つまり、ハッシー君の理論はその始め、ド頭からおかしな話となってしまう。

ハッシー君の見ている資料の内容が不明なのでなんとも言えないが、この疑問が氷解するような資料であることを祈るばかりである。

【実際の江戸時代の話】

それでは実際はどの様な経済だったのであろうか?

私の資料を基にお話し致します。

江戸時代、日本は諸外国と所謂不平等条約を締結し、諸外国と交易をおこないました。

この時日本はとんでもない輸出超過に陥った。

こう聞くと皆様はこうお思いになるはず。え?だって関税自主権が無いのは外国が日本に安い品物を買わせるためじゃないの?と。

私もそう思うのだが、実はそれとこれとは話が違うらしい。

商人とは基本、安ければ買う。高ければ売る。儲けが全て。これが商人の鉄則である。

そして江戸幕府は、外国との為替という概念に疎かった。この結果が万延小判に繋がるのだがそれはここでは放っておきましょう。

海外の商人達は日本に来て超喜んだ。ラッキー!超安いじゃん!

実は日本の金銀貨の質は諸外国の金銀貨よりも質が良かった、という話がある。そして交易地では、日本貨幣と外国貨幣は同じ物として扱えた。

そう、関税自主権なんて吹っ飛ぶ、もっといい儲け方があるのだ。

日本の物価は良質な貨幣を基に算出されている。それを日本貨幣よりも質の悪い貨幣で買うことができる!

簡単に言うと、日本銀貨10枚本来イギリス銀貨30枚と同じ価値を持っている。しかし貿易すれば日本銀貨10枚分の買い物をイギリス銀貨10枚で出来る!この超ウマウマレートを前に、ある商人は貨幣だけを交換したが、もっと美味く稼げるのは日本国内の物資、しかも生活必需品を買い漁る事だ。

当時諸外国には戦争の火種が燻っており、軍用品は値上がりしていた

だから日本で大量の買い物をしていって出て行った。そのせいで日本国内は物資が不足し、強烈な値上がりとなった、というワケで御座います。

上記の内容が全部ウソだとしてもこういう事も出来る。

つまり日本貨幣は外国貨幣に対して安くなっている。つまり日本国内の品は格安で購入出来るのだ、と。

幕府はこの流れを食い止めようと1860年五品江戸廻送令を出した。これは生糸や雑穀などは江戸の問屋に回送しなければならない、というものであった。まあこれは様々な所から反対されて撤回されてしまったが・・・。

【ハッシー君の誤算】

長々と失礼致しました。さて、ここまで読んで下されました皆様。こうお思いになられませんでしたか?朝鮮関係無い・・・と。

そう、日本には朝鮮を征服する経済的なメリットは殆ど無かった

何故ならこの日本の苦境の土壌は物資不足であり、その原因は外国との輸出超過不平等条約である。そしてこの土から生えたのは不換紙幣の乱発によるインフレであり、日本通貨安であった。

この苦痛の植物を断つ為に必要なのは、兌換紙幣の発行であり、不平等条約の解消である。

ハッシー君の誤算は、この流れを過った所から見ていたことであろうか。

日本の事を悪く言いたいあまり、そして朝鮮を良く言いたいあまり彼はおかしなデータを打ち込んでしまった。その結果彼は非常に奇妙な話をする事に相成ったワケで御座います。

ハッシー君の妙な話はこれにとどまらない。

例えば彼は日本の輸出入の数値を語っている。ほらほら、輸出より輸入が多いでしょ?日本は輸入超過だったんだよ、と言いたいワケだ。

しかしこの数値はまず単位が不明なのだ。円なのかドルなのかポンドなのか?

それともキロなのか匁なのか?

更に総量を出されても困る。

例えば米を100万円分輸出して鉄を1000万円分輸入したとしよう。

日本は900万円分の輸入超過となる。しかしこれでは日本が外需を欲しがっていたとは言えない。

米より鉄の方が必要だったんだろう、これで終わりではないか。

つまりハッシー君は全ての品物に関してその数量を計算しそのデータを出さなければならなかった。

これがハッシー君の誤算である。

総輸出と総輸入だけを見せてほら輸入超過、とは言えないのだ。

当時の日本は世界に飛躍せしめんとしていた。その国家が何故輸出量に拘る?

まずは技術と物資を集めようとするのではないか?

この様疑問に対してハッシー君は答えようとしない。

歴史を俯瞰的に見る、大変結構なことだ。

しかし俯瞰とは一つの事ばかりを見る事では無い。

私も注意しなくてはならない。と、思いつつも時々忘れてしまう。

ハッシー君が私の要求に全て答えた時。それは日本の歴史学会に大きな風が吹く時である。それだけのことを彼は主張しているのだ。

是非見てみたい、と思うのだが・・・・。

                 話者   大宅世学