朝起きたら、皮膚が痒みや痛みを伴って赤く腫れていたという経験はありませんか
その原因はもしかすると「やけど虫」のせいかもしれません
やけど虫の正式名称は「アリバアオガタハネカクシ」
成虫の体長は約6~7mm、頭部が黒色で胸部と腹部がオレンジ色と縞模様になっているのが特徴です。
水田地帯や湿地帯、水はけの悪い工事現場などに発生しやすく、マレーシアでは都会でも(比較的高層のコンドミニアムでも!)家の灯りに誘引されて中に入り込みます
このやけど虫は、体内に「ペデリン」という有害物質を持っています
ペデリンを含んだ体液が、人間の首筋や腕、顔などに付着すると、名前のとおり水ぶくれやみみず腫れのようなやけどに似た症状を伴う皮膚炎を引き起こすのです
この虫は見かけても絶対に直接手で触れてはいけません
万が一皮膚に触れてしまった時は、すぐに水で洗い流しましょう
実際に皮膚に炎症が起きてしまったら、症状が軽い場合でも早めに皮膚科を受診してください
当院の患者さんでも多いのが、いつこのやけど虫の被害にあったか自分ではほとんど気が付かないこと
就寝中、知らぬ間にこの虫に顔や体を這われて、翌朝になって患部の違和感に気が付いたといったケースが多くみられます。
この虫の体液に触れた手で顔や目をこすったりすると、炎症が広がってしまいます
特に目の周りをこすったり、掻いたりすると結膜炎を起こしたり、重症化すると稀に失明してしまうことも
目にも異変を感じた場合は、眼科での診察も検討してださい。
やけど虫は小さいながらも人体に害を与える毒を持つ怖い害虫です。
この機会に、ご家族でこの虫について情報共有してみてはいかがでしょうか