今年は、長い期間桜を眺めることができて、幸せを感じていた看護師 Wです
気のせいでしょうか。
最近、俳句や川柳を趣味とされる方に多く出会うように感じます。
ゴールデンタイムのテレビ番組で俳句が取り上げられるようになり、私のような文才の無い素人でも“やってみたい”と思わせるほど身近に感じられるようになった俳句。
伝えたいことを、どれだけシンプルに、かつ目に浮かぶように伝えるか。
俳句の先生の添削を見ていると、ただただ驚いてばかりです
ひばり往診クリニックでは、毎年春に歌会を開催しています。
患者様や御家族様、当院の全スタッフが参加するこのイベント。
提出された俳句に当院長と全スタッフが投票して、最優秀賞が決定するスタイルです
初めて開催されたのは5年前のことでした。
その頃にご訪問させていただいていた俳句好きの患者様(K様)に、歌会の初代講評役をお願いしたところ、喜んで引き受けてくださいました。
K様は、自分で計画を立てて手配した旅行をするのが趣味で、旅の記憶を俳句や紀行文に残すという文筆活動を愉しみとしておられました。定年退職した時も、完治困難な病と告げられた時も、その時できることは何かを考えて目標を設定してはクリアしてこられた、前向きな性格の方でした。
歌会の作品提出が締め切られた頃、K様の体調に変化がありました。
肺に溜まった水の影響で呼吸が苦しくなることが増え、日常生活が不自由になってきたのです。必ず退院して自宅に帰ってくることを目標に、抗がん剤治療を受けていた病院に入院されて数日後、K様から1枚のFaxが届きました。
素人が自由に作った俳句に、ひとつひとつ、粋なコメントが手書きされていました。
私の作品のようにコメントしづらい不出来なものもあったでしょうに、どれを見ても、K様が楽しんで書いてくださったのがよくわかるものばかりでした。
不思議なもので、毎年歌会の時期が近づくと、俳句好きの患者様をご担当させていただく機会に恵まれます。そして、その方々は必ず本気の作品を提出されます。素人の私からみても、俳句を詠む経験の有無にかかわらず、詠んだ人のその人らしさが垣間見える作品が並んでいるように感じます🌸
さて。
今年は、どんな句が最優秀賞に選ばれるのでしょう