年間517本目(月間 47本目) 
1997年公開 洋画 46位 鑑賞全作品 57本中
通算 邦画 9,708本  洋画 7,593本 合計 17,301本

 

なんといってもアラン・J・パクラ監督が懐かしい、

我々世代では、学生だった頃に76年の「大統領の陰謀」と82年の「ソフィーの選択」

で圧倒的な評価を受けていた監督であり、当時のアメリカ映画では、スコセッシと

コッポラとアメリカの代表的監督でありましたね、

そのうちヒット作は出すが評価の低い映画が多くて段々とみなくなっていましたが

本作を取った後に交通事故で突然死して、突然に遺作になった作品でしたが

評判が悪くて未見のまんまでした。

出だしの北アイルランドの、漁船のシーン、IRAでの市外戦のテロなどは

良かった(北アイルランドのロケ、船のロケシーンは良い)が、スターハリソンフォードを

使うためのニューヨークの警察の話(確かにニューヨークでは、アイルランド系移民は、

警察とマフィアが祖先から多かったみたいであるが)がIRA問題、過去の事件、テロの様子が

曖昧に描きすぎて切迫感がない、ブラット・ピッドの描き方もスター扱いすぎて

政治劇が緩い。

普通の家族に入り込む怖さだったらケヴィン・ベーコン「激流」方が数倍いい、

好感度を考えないで潜伏演技をしているから。

 

ただし、反面教師でこんなもん出なかった頃のアラン・J・パクラ作品を

また見返したくなった。

「大統領」も「ソフィー」もロードショーから見返していない(ちょっとおもい政治もの)ので

 

 

 

 

 

 

 

年間516本目(月間 46本目) 
2000年公開 邦画 41位 鑑賞全作品 90本中
通算 邦画 9,708本  洋画 7,592本 合計 17,300本

 

ピンク四天王の脚本家として有名で

後に、自主系の普通映画の作品で有名になり

晩年は仲代達矢と組んで互いに命を削って

映画を撮っていた印象の小林監督の唯一の

ピンク映画

内容的には小林監督の「ラストタンゴインパリ」的に

出会ってから外世界と没交渉になってしまう愛欲の話

二人だけの登場人物なので、舞台劇風になっている。

ピンクである事も放棄している独特な個人映画

 

年間515本目(月間 45本目) 
2024年公開 邦画 2位 鑑賞全作品 48本中
通算 邦画 9,707本  洋画 7,592本 合計 17,299本

 

元京都アニメーションの切れ者女デレクターの山田尚子が

メジャー=東宝で撮った作品であるが、京都アニメーションよりも

更にインディーズっぽい作品になっている、山田監督はかなり

アニメとしては攻めたアニメに挑戦したい人みたいなので、

前作の「聲の形」でもアニメにしにくい、声(しかもろうあでの出ない声)を

アニメ化していたのであるが、今回は、人から見える光とそれを音楽の

反映する絵という、およそアニメ化しにくいものをアニメかするのは

実験アニメーターと言える

なので、ジブリみたいな原色系の色を避けて強いて淡いパステル系の色で

情緒豊かな映像つくりをして、色オーラの輝きとか、主人公の独特の

心の弾みも映像化に成功している・・・うなるアニメになっている。

主人公がちょっとおデブちゃんであり、そばかすっ子なのは

「赤毛のアン」みたいに美醜ではなく心の優しさが前面に出てきて優しい映画にも

なっている。

逆に言うと完全な私的な映画であるので、大げさな事件もなく、主人公たちの展開も

心の展開で劇的な事は起こらず、主人公の「赤毛のアン」=地味な見た目な女の子だし

アニメもパステルで淡く・・・およそ、「大ヒット」させる気がなく、「この映画を

優しき見守る」事が出来る人だけが至福になる作品→見る人を選ぶ(行間を読み取って

感じろ)な作品でした。

なので、「誰にでも紹介は出来ないけど、しみじみと一人でこの映画の良さ」に

浸っていたい作品でした。

 

あと、山田監督(吉田玲子)はかなりの日本映画(過去の名作)好きらしく、

女子高の雰囲気(「エス」文化)と主人公の孤立しての噂話は、「櫻の園」だし

島での練習は大林宣彦の尾道シリーズだし、文化祭の演奏会とやりきった後は、

「リンダリンダリンダ」と「青春デンデケデケデケ」だし、シスターの

演奏会の踊りは、「天使にラブソングを」だし、お別れのシーンは、「転校生」と

過去の名作のオマージュも多い。