稼働状況:孤独な道を~
いつもの所で燃料入れて、国道を流す。
すると前方に見覚えのあるトラックが。
信号が赤になり、私もそのトラックも先頭で止まった。
隣同士。
相手方の運転席を捉えられる角度で何とか頑張って覗き込むように見たら・・・
見覚えのある運転手だった。
呆れるほど派手に喧嘩別れした知人だった。
知人がいつも乗っていたトラックと車番が違ったから、中身も違うと思ったら・・・
そうか、違う車輌あてがわれたのか。
あのマーカー、二人で買いに行ったやつじゃんか。
それつけてるって事はあなたの担当車輌なんだろう。
ずっと新車に乗れるかもしれないなんて話しあったのに、中々実現しなかったけど・・・
良かったな。
でも、新車じゃねぇじゃんか。
確かに車体はキレイだけどもさ。
だってそのトラック、喧嘩別れする数日前にとある倉庫で初めて見たやつだ。
お!新車かぁ!って興奮して写真撮ったんだぜ。
もう1年以上前になるな。
あの時私が感動したトラックにあなたは乗っているのだね。
喧嘩別れしてなきゃ、その写真添付して・・・
「いつか私が乗るやつ」ってメールしようと思ってたのに。
それどころかそこで働く夢もスッと消えちゃったからな。
本当に、流れ星みたいに・・・一瞬で儚く消えた。
私がそこのトラックどころか会社が好きな事、働きたい事知っていたんだね。
一言も言わなかったけれど、分かっていたんだな。
憧れや夢は大いに支えになったけれど、無くしたことで今は身軽になった。
あの時のトラックと知人とがセットになって現れるとは。
しかも隣同士になるなんて。
これはデスティーノでも何でもない、単なる偶然だね。
溜息一つ。
青になった瞬間、もたつく事なく走り出した。
向こうは気付いたかもしれないし、そうじゃないかもしれないし。
でももうお互い同じ方向を見なくなった今、どうでもいい話しだ。
どうにもならない事を、今更どうにかしようなんて思わない方がいい。
人は変わる。
そして生まれ変わる。
それぞれの道でそれぞれが抱く夢や思いを燃料に、ひた走るだけ。
それだけだ。