今日の読書~『最新の脳研究でわかった!自律する子の育て方』 | ヒズモのブログ

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工藤勇一・青砥瑞人 著 『最新の脳研究でわかった!自律する子の育て方』 (2021年5月)

SB新書  定価 : 990円 (税込)

 

2019年9月26日放送のカンブリア宮殿は「学校教育の「当たり前」を変えた!驚き公立中学校」であり、当時、千代田区立麴町中学校の校長、工藤勇一氏が出演されておりました。宿題や中間・期末テストの廃止等を行い、「子供の自律」を学校の最上位目的として改革をすすめる工藤校長と自律していく生徒の姿を観て、本当に驚きました。

この本は、工藤氏の実践と、青砥氏による脳神経科学からの理論補強がされており、「自分で考え行動する人間」になる為に何が必要か、大変勉強になりました。

 

 

SBクリエイティブの紹介文です。

ほめるか?しかるべきか? 子どもの自律を阻む教育の新・常識とは?
キーワードは「心的安全」と「メタ認知」だった!

学校の当たり前を覆し、全国が注目する学校づくりを実現した麹町中の工藤校長。
手をかけるほど子供の自律を阻むというメッセージは驚きと共感を持って、多くの人に広まりました。
今回、脳神経科学の世界で注目を集める、青砥瑞人先生との、「麹町研究」によって、脳科学的にも正しい子どもの育て方があることが立証されました。
これは既存の教育の思い込みを正し、「未来の教育」を模索していくために、旗となるべき成果です。

今回、教育と脳神経科学という異ジャンルの二人が共著として、教育・学力・子育ての大誤解を解きながら、未来を創る「当事者意識のある子ども」を育てていくためにどうしていけば良いか、それをわかりやすくまとめました。

全国が注目した、麹町研究の衝撃的な中身とは?
全国の保護者・教育関係者のバイブルとなるべき1冊!

 

目次は次の通りです。

序章 … いま、教育現場で何が起きているのか(工藤)

第1章 …心理的安全性とは何か-ストレスと脳機能のメカニズム(青砥)
第2章…子どもが安心できる環境をつくる(工藤)
第3章…メタ認知とは何か-自己成長に不可欠なスキル(青砥)
第4章…子どものメタ認知能力を鍛える方法(工藤)
巻末特典…心理的安全性をメタ認知するワーク(青砥)
おわりに(工藤)

 

私の心に響いた言葉を本の前半部分からご紹介します。

 

「このような激動の時代において最優先されるべき個人の資質は、自分で考え、判断し、行動できることではないでしょうか。私はこれを「自律」と呼んでいます。」(P10)工藤

 

「学校の最上位の目的が「子どもたちに社会で生きていく力を身につけてもらうこと」だと考えれば、教育目標は時代の変化に合わせて常にアップデートされていくのが正しい姿です。」(P11)工藤

 

当事者意識をもった子どもたちが社会にでていくことで、はじめて幸福な社会が実現する。これがこれからの世界標準の教育目標なのです。」(P12)工藤

 

「「学び」と「幸せ(ウェルビーイング)」。私はこの2つこそが教育の究極的なゴールではないかと思っています。すなわち子どもたちの脳を「率先して自分を成長させられる脳」かつ「率先して幸せな状態をつくることができる脳」に育てることです。」(P29)青砥

 

「同じミスを繰り返す子どもがいたとすれば、「子どもに問題がある」と考えるのではなく、「大人がそれをどう伝えているか」にも意識を向けてみてはいかがてしょうか。」(P59)青砥

 

「私が感じている日本の教育の課題は、ドーパミン性のモチベーションを活用できる場面がほぼ皆無だということです。子ども本人の「やりたい」または「どうしたいか」という気持ち大人の都合で無視される場面があまりに多いことが、子どもたちの学びの弊害になっているのではないかと考えています。」(P74)青砥

 

「周囲からいつもダメ出しをされたり、問題児のレッテルを貼られたりしている子どもは、ネガティビティ・バイアスによって自己否定に陥っているケースが多いわけであり、その状態から自己肯定感を育んでいくには、自己肯定感が高められる環境にどっぷり身をおき続ける経験をしないといけません。具体的には次のような環境です。

・否定されない ・自分の意志が尊重される

・失敗が咎められない・他人と比較されない

・できていることをちゃんと評価される

・成功体験を積むことができる  

・自分の成長を実感てきる。

まさに工藤校長が麹町中学校で実現した環境です。」(P77-78)青砥

 

安心できる環境をつくることと、ストレスに強い脳をつくることが同時にできる魔法のような言葉があります。麹町中学では「3つの言葉がけ」と呼んでおり、子どもに何かトラブルが起きたとき、全教員がその対応方法の指針としているものです。もちろん、保護者にもできるだけ家庭で使ってもらうよう紹介しています。その言葉とは以下の3つです。

 

1. 「どうしたの?」 (「なにか困ったことはあるの?」)

2. 「君はどうしたいの?」 (これからどうしようと考えているの?)

3.  「何を支援してほしいの?」 

  (「先生になにか支援できることはある?」)

 

これは全国の学校や家庭、職場ですぐに使うことができます。

(P91)工藤

 

その他、常識と思っていたものがそうではないという内容がいっぱいで、大変興味深く読みました。おすすめです。