映画 『グリーンブック』 (2018年、アメリカ、130分)
監督 ピーター・ファレリー
脚本 ニック・バレロンガ、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー
キャスト ビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリニ、ディミテル・D・マリノフ、マイク・ハットン
予告編を観て面白そうと思っていたら、アカデミー作品賞のニュースが入り、これは観なければと映画館へ。心があったかくなる素敵な映画でした。
(画像は映画.comよりお借りしました。)
映画.comの解説です。
「人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞を受賞したドラマ。1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。トニー役に「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。」
1962年でもアメリカの黒人差別はこれほどだったのかと驚きました。はじめの方のシーンでビゴ・モーテンセン演じるトニーの家族親戚の黒人偏見状況がわかるうまい演出。リンダ・カーデリニ演じる素敵な奥さん(面と向かって黒人への偏見を責めたりしない)ドロレスとどんな出会いがあって結婚できたんだろうと思いました。
マハーシャラ・アリ演じる天才ピアニスト、ドクター・シャリーとの出会いから2ヶ月間の南部を回るコンサートツアーの運転手として、一緒に過ごす中で、南部の黒人への扱いに腹を立てると共に、ドクター・シャリーへ尊敬の念さえもいだいていく心境の変化、行動が観ていて心地良いです。
黒人がクラシックを演奏することさえ受け入れられない時代に、ピアノに酒のグラスを乗せるのを嫌い、クラシックとジャズを融合させた音楽で白人たちを魅了したドクター・シャリー。マハーシャラ・アリの演技は格調高く、受ける差別境遇に笑顔で耐える姿が素晴らしいと思いました。
トニーがドロレスへの手紙を書いているのを見て、文章を添削するシーンが微笑ましく、大好きです。無学で荒っぽいがドクター・シャリーの一番の理解者となっていくトニーが、だんだんとカッコイイ大人に見えてきます。
ラストシーンはとても幸せな気持ちになりました。ピーター・ファレリー監督、うまいなあ。
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