今日の読書~『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵』 | ヒズモのブログ

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岸見一郎 著 『幸福の哲学  アドラー×古代ギリシアの智恵

講談社新書 1917年1月初版 定価:(本体760円+税)

 

昨年12月に岸見一郎氏の講演会に行って、今年発行の新書を楽しみにしていました。(http://ameblo.jp/hi-zu-mo/entry-12229896349.html)

この本を執筆されてすぐの講演会だったこともあり、読みながら本の内容理解の為に聴いていてよかったと思いました。

 

目次です。

はじめに

第一章  幸福とは何か

第二章  なぜ幸福になれないのか

第三章  人間の尊厳

第四章  他者とのつながり

第五章  幸福への道

第六章  人生をどう生きるか

あとがき

 

はじめに」で哲学者岸見氏はこう述べられています。「哲学者の肖像画や写真を見ると、率直に言ってあまり幸福そうには見えない。誰もが気難しい表情をしていて、笑顔の哲学者をすぐには思い出すことはできない。それなら、私自身がまず幸福になろうと決心した。」、

「本書では、私はもっぱらプラトン哲学とアドラーの思想を踏まえ、私自身の見解を加えて幸福について論じてゆきたいと思う。プラトンは目的論に立ち、自由意志を認め、人間の責任の所在を明確にしている。アドラーも基本的に同じ考えだが、プラトンが十分に論じていない対人関係を問題にしている。幸福が対人関係を離れては考えられないとすれば、アドラーの思想は幸福の問題をより実践的に考える時に有用である。」

「本書を読めば、幸福はどこか遠くに探しに行かなくても、初めからここにあったことがわかるだろう。」

 

各章において、プラトン、アドラーを中心に、ソクラテス、ドストエフスキー、トルストイ、フロイト、フランクル、三木清等の言葉が登場し、そして岸見氏が自身に生じた対人関係の中で思考した経過が、分かりやすく述べてあります。読んでいて、自身のこれまでの人生シーンを思い出し、こんな時どう考えたかな、などと思い返しました。

 

岸見氏は第六章「人生をどう生きるか」でこう述べています。

「結論を先にいえば、それは「今ここ」を生きることであり、過去と未来を手放すことである。そのように生きれば、幸福をふいにするようにも思える死の恐れからも自由になる。」

 

本の帯にこの本の内容を的確にまとめてあります。

・「人は幸福に「なる」のではなく、すでに幸福で「ある」。」

・「幸福にならなくても幸福で「ある」のなら、生き方も変わってくる。今ここを生きればいいからである。」

・「自分の生き方は独自なものなので、誰か他の人の生き方を真似る必要はない。」

・「他者が生きていることが喜びと感じられるのであれば、自分についても、生きていることがそのままで他者にとっての喜びであり、貢献していると思っていい。」

・「自分ではどうなるかを決められないのであれば、未来を思って不安になることに意味はない。」

・「日常生活でささやかな幸福を感じられる瞬間を持てることは、人類の偉業と並ぶほどの奇蹟といってよい出来事なのだ。」

・「生きるために、幸福に生きるためには、哲学を学ばないという選択肢は、ない。」

 

「嫌われる勇気」、「幸せになる勇気」とこの本を読んで、岸見一郎氏の講演を聴いて、アドラー心理学を学んで、自身の生き方を見直した数ヶ月でありました。

 

お読みいただき、ありがとうございます。