1月に

近所のおじいさん、

Jさんの話を書きました。

 

 

Jさんは真面目だし

話好きで明るくて

自虐ネタを話しては笑いをとる人。

 

 

私たち家族がここに引っ越してきたときも

地域の行事で私たちがなじむよう

率先して話しかけてくれて

気をつかってくれた方です。

 

 

数年前に奥さんをなくしてひとり暮らし。

 

 

そのJさんが

4月に集金されるはずの自治会費を

1月なのに集金に訪れました。

 

 

領収書はないけど

お金だけ先に預かっておくと言いました。

 

 

Jさんは真面目な人だけど

あとで「もらったかな?」って

トラブルになりそうで

 

 

私は

「4月にお金を持って行きます。」

と言って

そのときお金を渡しませんでした。

 

 

「隣の人はくれたぞ」と言われたときは

なんだかJさんに

悪いことしている気分になりましたけどね。

 

 

 

 

 

そのときの記事↓

 

 

 

 

 

 

それから4月がやってきました。

 

 

私はJさんの家へ

自治会費を持って行きました。

 

 

すると、Jさんは

あのやりとりの記憶がなさそうなのです。

 

 

「そんなこと言ったかいね?」

 

 

「自治会からまだ領収書は来ていないから

今、もらっても…。」

とJさんは困った様子なので

 

 

私はそのまま自治会費を持ち帰りました。

 

 

それから数日後、

Jさんの代理の方が集金に来ました。

Jさんは集金をするのが難しい状態だとか。

 

 

代理の方は

Jさんが1月に集金に回ろうとしていたことと

隣の家からはすでにもらっていることを

ご存知なかったようでした。

 

 

よくぞそのとき

Jさんの集金を止めてくれました

と言われ

隣の家の人からもあとで感謝されました。

 

 

それから約1か月後

 

 

Jさんを地区行事で見かけた人から

Jさんが何も話さなくなっていたと聞きました。

 

 

Jさんに異変があったことは

間違いなさそうです。

 

 

もう、昔のJさんには

会えないのかなと思うと

悲しくなりました。

 

 

1月に集金に来たときのあのときのJさんが

最後の「私が思っていたJさん」

だったのかなと考えると

よけいに悲しくなりました。

 

 

するとそれから数日後

 

 

たまたま

Jさんが自転車に乗っている姿を

見かけたんです。

 

 

私の家のすぐ近くだったので

昔だったら

私を見つけて

人懐っこく何か言ってきていたと思います。

 

 

でもJさんは

正面だけを見て

私も見えていない様子で

 

 

表情を一切変えずに

そのまま真っすぐ通り過ぎて行きました。

 

 

顔は無表情でした。

 

 

でも、なんというか

 

 

その表情には

一本筋の通ったような

いさぎよさがあって

すごく美しかった。

 

 

私は、

 

 

もしかしたら

Jさんは

 

 

本来こういうタイプの人だったのかもしれない

 

 

と考えてしまいました。

 

 

みんなのために一生懸命

気を配っていたけど

 

 

Jさんにとって

こういうふうにしているのが

 

 

一番自然だったのかもしれない。

 

 

そしたら

私の悲しみがすぅーっと消えていきました。

 

 

 

だけど

本当のことは

 

 

Jさんにしかわかりません。

 

 

わからないのだから

 

 

私は、

 

 

Jさんを

私のひとつの見方に決めつけずにいよう

 

 

そう思い

 

 

自転車に乗った

Jさんの後ろ姿を

 

 

見えなくなるまで

見つめていました。

 

 

 

 

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