休日は涼しい家でアマプラ観て過ごしましょう、甘夏っちゃんです!

2025年7月下旬現在で無料で見られるAmazonプライムビデオのおすすめ10作品。

自分には合わないと敬遠していたものも意外とハマることがありますので、色んなジャンルのものを載せています、いつものジャンル以外のものにも挑戦するきっかけに!

笑ゥせぇるすまん ドラマ

我々世代には漫画やアニメでおなじみの藤子不二雄A氏の作品の実写版。人の心を扱い心のスキマを埋めるセールスマン喪黒福造と出会う客たちのお話。大人のブラックユーモア・皮肉・不気味さに溢れています。

キャストが発表された時にSNSでは絶対面白いやつ確定と話題になりました。喪黒役をお笑い芸人の秋山竜二さんがつとめ、監督は宮藤官九郎・ゲスト出演者も山本耕史・あのちゃん・夢グループ社長などなど面白くないわけがないキャスティング。

秋山さんがGCかと思うくらいの再現度で、喪黒の声も上手にモノマネされて完璧。監督がクドカンさんということもあるでしょうが、伊藤四郎さんの時の実写化よりもお笑いネタ要素多めです。ゲスト出演者も芸達者な人が並んでいるので秋山さんとの”対戦”が見応えあります。小ネタも絶妙に散りばめられており1話目から声に出して笑えるのでぜひ。

怪物 ドラマ

イチオシの韓国ミステリーです。田舎町で起こった殺人事件の犯人探しの話、疑心暗鬼や心理戦的なミステリーです。妹が被害者で自身も容疑者扱いを受けた兄が中年の刑事になった現在、そこへ警察幹部の息子が配属になって2人が昔の事件の真相を探っていく。狭い田舎特有の、みんな子供の頃からの顔見知りで家族付き合いがある中で、浮かび上がる嘘や隠し事・利害や権力の因縁など、事実が少しず〜つ明らかになるにつれ仲間全員が殺人犯の疑いが出てくる。全員怪しいし全員がきっっっっちり怖いんですよ!それまでの優しい態度も無邪気な笑顔も不気味な感じに見えてきます。もう誰を観ても裏があるように思えて信頼できないし、その笑顔も優しさもただのサイコパスにしか見えない。

 

兄役の役者さんの目つきが物凄い。妹殺害の容疑者としての狂人の目、優しい同僚の目、欺く目、復讐に燃える目、悲しみの目...どれが本当の彼なんだろうってわからないくらい表情が変わる。役者さん全体のレベルが高いというか、韓国お得意の激しい感情表現(つぶやきから秒で激情MAXで天を仰いで咆哮とかw)だけでなくて、静か〜な不気味〜な演技も上手な人が多かった。小さい声で「怖っ」って何度言ったことか。

20年以上前の冬のソナタブームで昔の日本の作風のイメージを持ったまま長らく興味がなかったのですが「イカゲーム」や「パラサイト 半地下の家族」を観て、音楽分野でもドラマ・映画分野でも韓国のエンタメすごい!と知りました。やっぱり世界の中でも東アジアにありがちな田舎の閉塞感や排他的な文化・先輩後輩の上下関係・官僚的な構成の社会・個人ではなく家や組織を優先するなど、心理・文化面で親和性が高いのでハリウッド映画などと比べて没入しやすいです。めちゃくちゃ面白いから食わず嫌いせずに見てほしい、夢中で一気見ですよ!

GQuuuuuuX アニメドラマ

ガンダム ジークアクス。1年戦争世代こそ楽しめる内容になっています!主人公は女の子で三角関係など恋愛要素もちょっと含んでて今風のポップな感覚ではあるけれども「あの時代」のアナザーストーリー的な感じで、後半の謎が核心に迫っていくほど懐古欲求も満たされていくので、昔を知ってるアラフィフこそみるべき。私は3話目くらいまでう〜ん...な感じだったけどそれ以降は一気見してしまうほど引き込まれました。同級生に今でもガンダム好きでひっそりとガンプラを買い集めてる男友達がいますがそのようなガチガンダムオタクおじさんも太鼓判を推しています。

鑑定士と顔のない依頼人 映画

大人のミステリー。美術品の有名鑑定士でオークションをする仕事の壮年男性が主人公。芸術的理想の世界に浸かることを安息とし、地位も名誉も富も手に入れた偏屈おじさんが謎の女性依頼人と出会って人間的に変わっていく話。

自尊心が高く思いやりに欠けるやや嫌な変人の男性という設定は嫌いではないです(名探偵ポアロとかシャーロックも好き)。自分の完璧な世界で凝り固まった偏屈男性が、ミステリアスな依頼人に惹かれ少しずつ人間性を解放し取り戻していく。社会性があまりないのでキモかったりもするんですが、他人の言葉に耳を傾けたり友達ができたり思いやりの気持ちを持ったり、人間味が芽生えていく姿は育て直し感があって応援したくなります。皮肉やほろ苦さ・伏線回収などストーリーの最後まで楽しめる良作ミステリーです。

仕掛人・藤枝梅安

池波正太郎原作の仕事人による復讐系のお話。豊川悦司さんが主人公で相棒は片岡ラブリン愛之助さんということもあり、役者さんが年代的に受け入れやすい時代劇です。見どころは色っぽさですね、梅安と女性たちとの濡れ場も結構あります。

私たち世代の女性は「愛していると言ってくれ」の豊川さんに一度は恋したはずです。悪役も似合う人で、90年代の居酒屋ゆうれいという映画で別れた妻につきまとうムショ帰りのグズ男役や最近ではネットフリックスドラマ地面師でかなり話題になりましたね。テレビやCMではユーモアも感じる柔らかい雰囲気を纏っておられていい歳の取り方をしてるなぁって思います。梅安は中年になったトヨエツのダダ漏れの色気を堪能する回ですね。

天海祐希さんが出ているパート2まで観て完結する哀しい大人の復讐劇、池波作品なのでおじさんにも、トヨエツ主演でおばさんにも両方おすすめです。

オッペンハイマー 映画

アカデミー賞7部門受賞、原爆の父ロバート・オッペンハイマーの人生。夏休みですしアマプラやってる内にみましょう。火垂るの墓やこの世界の片隅にを履修したらこうした他国目線のものも観てみることもいいと思います。学者が何を考え兵器を作っていたのか・イデオロギーや愛国心・政治利用など、時代の潮流の中に在ったひとりの人間としての解釈をしてみる機会でした。私は戦争映画はすごく苦手なのでほぼ観ませんが、クリストファー・ノーランが監督をしているので試聴してみてとても良かったのでおすすめします。

チ。 アニメドラマ

知的好奇心について描いたコミックのアニメ化、NHKのプロジェクトXとか観て胸熱になるアラフィフは必見です。

15世紀のヨーロッパが舞台、宗教が示す天動説が正義だった時代に地動説を研究する人々の話。無料コミックでちょろっと読んで衝撃を受けてすぐアニメも見ました。冒険や戦いや恋愛などいろんな題材がある中で”知的好奇心”が題材というのが目からウロコというか、この着眼点でコミックを書いていること自体に驚きました。歳をとった自分が見ても毎回胸を衝くものがあります。歳をとった今だからこそ人生をかけてなにかをやり遂げたり信じたり次世代に繋ぐというお話が刺さるのかもしれません。かなりグロい暴力描写がありますので怖がりの人は薄目でね。

 

逃げ上手の若君  アニメドラマ

可愛い絵のアニメ。鎌倉時代〜南北朝時代の北条時行の幼少期からのお話。足利高氏に滅ぼされたところから逃げ延び、仲間を集めながらお家復興を目指します。SNSで話題になった時は特殊ジャンル(ショタ)と勘違いしスルーしたのですが、普通に少年向け歴史ものでジャンプで連載され小学館漫画賞も獲っている作品です。

可愛い系のキャラの世界でほのぼのギャグ要素もすごく多いですが、鬼滅の刃と同じく戦の残酷な描写もあります、部分的に結構怖いです。今はこういうかわいらしい絵の世界に、無邪気なギャグ要素・特殊能力設定・熱い信頼関係・グロい人殺しが混在するんですよね、昭和世代の目にはとても新鮮に感じます。可愛い系ファンタジーとホラー要素の往復がだんだん心地良くなってくる作品です。

Flow アニメ映画

アカデミー賞長編アニメーション賞・文科省選定作品というド偉い肩書き。サムネはさほど可愛くない黒猫の絵。まあ見るものがない時にながらでいいかと視始めたら最後までガッツリ視てしまったそんな映画でした。

主人公は黒猫、登場するのは動物のみでセリフはなく鳴き声と音と音楽のみ。平和に暮らしていた場所から逃げて新しい土地を探すという冒険もの。目新しいものや大きな謎やうなる回収・衝撃的な展開は正直ないです。けど、なぜか見入ってしまう魅力があります。KAWAIIの目利きにかけては世界一の私たちにとっては正直そんなにかわいいとは思えない海外の画風ですが、でもでもこの子たちどうなってしまうんだろう?っていう気持ちで最後まで目が離せない。

お話もワーキャー盛り上がりはなく、どちらかというと淡々と状況が変化していく中で動物たちのふとした表情や仕草や鳴き声・無言の間など行間の中になにかが見えてくる感じです。それぞれの動物が人間社会と重なって見えるというのがひとつの見方なのかなと思います。それで見終わった後にいろんな気持ちを見た人それぞれが持つような、そんな映画です(いかにも文科省が好きそう)。夏休み小さいお子さんと観るのにお勧め。

 

鬼滅の刃 アニメドラマ

話題の映画を見てみようかなと思った人も多いのでは、念の為載せておきます。さすがに知らん人はいないと思いますが人喰い鬼退治の話です。古い昭和の家族観や友情・辛い中でも前向きに一生懸命生きようみたいな世界観はおばさんの心にもすんなり入ってきて泣けます(今の子供にはファンタジーでしょうが50代のDNAには埋め込まれた精神性)。映画の前にTVアニメで一通りおさらいしましょう、結構忘れてるので。5作あります、立志→無限列車→遊郭→刀鍛冶→柱稽古の順ですよ。話数も多いしキャラの個性も粒が立ってるのでそれぞれ推し柱(鬼?)やお気に入りのシリーズができて楽しい作品だと思います。私は遊郭編が好きで、強い鬼にボコボコにやられる戦闘シーンが手に汗握るし何度も自分を鼓舞して立ち上がる姿もいい、そしてなにより恐くて強い鬼が圧倒的に悲しい、バランスが良い回だと思います。今回映画の予習に最初からもう一度全話見ましたが、映画に繋がる柱稽古編の最終話でぎゃ〜っこのままにしておけない〜やっぱり映画見なければ!って気持ちになりました。

 

大人も良い夏休みを!