甘夏っちゃんです、認知症未満の親(ポンカンさんニヤニヤ)の通い介護をしています!

まだ認知症の診断はされてないけれど、日々の変化はここ1〜2年でもいろいろありました。

  • 歩き方が変わる
  • 同じことを初めてのように何度も聞く
  • 出来事のディティールではなくあったこと自体丸ごと忘れる
  • カギを失くす
  • お金をいくら何に使ったか怪しくなってきている

子供側からするとマジしっかりしてくれよと怒ったり心配になりますが、当事者側の見え方や気持ちってどうなんだろとふと考えるきっかけになった本がこちらです。NHKでも取り上げられたようです。

 

 

よくある症状に対してケアする周囲の感じ方と、その時本人の頭の中で起こっている思考や周囲の家族の反応をどう受け止めどんな心情になるかわかりやすくマンガで書かれています。

すぐには関係ないかもしれないけど、私はこれを読んでいてよかったなと思ったのでオススメ指差し

 

ある日の出来事でございます、ポンカンさんから深刻な声で電話が。

真顔あの...ちょっと聞いていいかな

知らんぷりどしたん、改まって

真顔いやあの...その...○○の日(本人にとって大事な記念日)って今月だったよね?アセアセ

知らんぷりそだよ

滝汗忘れてた!って気づいたんだけど、それからずっと考えても今月の何日が記念日だったのか思い出せないのよ

知らんぷりあらーーーヒント出そうか?

チーンううん、大事な日だから自力で思い出したい!今月だってわかってるのにカレンダー見ても写真見ても思い出せない、年に1回毎年欠かさず何十年もやってて忘れようがない事なのにどうしても日付がわからない。もう自分が情けなくて...泣

 

本人にしてみれば私に電話するまで何日も(実際は2週間ほど)思い詰めており、何十年も習慣にしていて忘れようがないと思っていた大事なことまで忘れてしまい、それに気づいたのに思い出すことができない自分をとても情けなく思っている様子。

笑い泣きお母さんもうこんなことも思い出せないのかと自分で自分が信じられない、これから自分がどうなっていくんだろうって不安だわ...と。

 

電話で話すうちにまもなくノーヒントで思い出せたのでよかったよかったで済んだのですが、聞いたことのないような不安げな声をしていました。自分自身の頭がどうなってるのかわからないし、わからなくなっていく自分自身を目の当たりにする正気の時間は気が狂いそうなほど不安なのだと実感しました。

 

そりゃそうだよね、ハイここから!って一気に線を引いたようにボケるんじゃないし、上下しながら徐々に下降していくんだもん。今までと変わらない生活をしているのに突如自分でも制御できなくなってることを認識しちゃうんだもん。そして下降する先を想像して恐ろしくなる。そりゃこわいわ。

半泣きになってる電話口の向こう側にいるポンカンさんを思うとなんかかわいそうで、自分の行く末もこうなるんだと思ったよ。

 

ここ最近で鍵を2つ紛失し、年に200万円も貯金を使ってしまってしかも何に使ったか覚えてない事件注意など立て続けにやらかしているという自覚もある。200万円溶かした事件の折は、チーンもう甘夏っちゃんが全部管理してくれるほうがいい、私が簡単に引き出せないようにしておいてもらったほうがいい、不安で胃がキュッとなったよ...と顔面蒼白で自分でもかなりショックを受けた様子でした。

 

まだ自覚があるうちは大丈夫、脳トレやデイサービスで改善できるってお医者さんも言ってたしそっちをがんばろうよ。お金や書類のことでなにかあればいつでも私に電話してくれればいい、生活面はケアマネさんに相談できるしサポートもいつでもスタートできるから何の心配もいらないよ。不安だろうけどまだまだ長い人生前向きに楽しんでよ!ニコニコって励まして安心させるよう心がけています。

 

本人側の気持ちはどんな風なのか知らなければ私ももっと怒っていただろうし不安になっていたけれど、本を読むことによってまだ正気な部分も多い”認知症未満”の本人こそ不安だらけなのだろうとわかったし、言葉や表情を確認して少しでも本人のストレスを減らすことを私も考えられるようになったと思う。これって本人にとっても私にとっても大事!指差し

 

デイの体験に参加した日は顔を輝かせて帰ってきたのでいろんな施設体験に行かせたところ、みるみる顔つきがしゃきっとして自律的な言動が増えました。落ちゆく脳機能は今の取り組みで改善(急降下を緩く)できるんだと実感しています。できることが増えたら本人も前向きになるし自信を取り戻せる。

 

いつかそうなるその日まで、不安には片目を瞑って楽しいことに意識を向けて過ごしてほしいびっくりマーク