氷河期組の甘夏っちゃんです!若い時は大変だった・・・(今も)

昨年末、近くで短期のパート募集があったので久々に働きました。

そもそも田舎でおばさんが採用される仕事といえば、介護補助とかコンビニのレジとかラーメン屋の皿洗いくらいしかないんですよねー泣き笑い今までの経験も活かせないし時給も最低賃金にリセットされる厳しい現実。

 

めずらしく近場で短期で特に採用条件ないよって簡単な軽作業の募集があったので、コロナ禍でなかなかパート先が見つからなかった甘夏っちゃんはここぞとばかりに飛び付きました。

今回はそんな片田舎で採用条件も無いような短期バイトに来る人々を見て思ったことを書きますね。

 

仕事内容は簡単な軽作業だし、クリスマスやらイベント前にお小遣いを稼ぎたい大学生が多いのかな?と思っていたんだけど、実際は40〜60代くらいの人が一番多くて驚きました。甘夏っちゃんと同じ、中高年になった就職難世代です。

普通に就職しているなら顧客への挨拶回りやら連休前の納期管理やらで1年で最も忙しい時期。子育てママさんならなおのこと行事やら大掃除やらプラスされて発狂するほどバタバタしているこの時期に、日雇いバイトに集まる中高年男女。ああ、田舎ってやっぱり仕事がないんだな〜悲しい


日雇いのお仕事を転々としている人たちの暗黙の了解なのか、軽い世間話はするけれどお互いのことは深く探らない空気感はありました雪の結晶 日々の雑談の中で出てくる話から知り得た限りでは、みなさんの状況はある程度共通するものがありました。地元から出たことがなく、現在は無職の独身で、実家で親と住んでいる。親の年金と日雇いのバイトをつないで生計を立てている。

 

休憩中の話は時給やお金の話が中心で。来週からは車で2時間かかるイベント会場の時給の安い誘導係を7連勤するとか、あそこの仕事は交通費が出ないとか、あのエリアなら安いネカフェがあるので往復の時間と燃料費車を考えると泊まりもおすすめとか、この会社は直前までシフトが決まらないので他の仕事を入れられないとか、このあたりで一番安い駐車場は500m先のどこどこで100円得コインたちするとか、そういう情報交換をしていました。

 

実家なら家賃も不要だし、軽自動車さえあれば遠くでも働きにいけるし、親の年金と合わせれば支え合いながら十分暮らしていけており、地元の友達とも交流があるし近くに兄弟夫婦も住んでいて家族仲も悪く無い。悲壮感とか凄まじい貧困というわけではない。

でも、丈の合わないズボンとか、雑誌の付録のバッグをボロボロになるまで使っていたりとか、破れた上着に養生テープを貼って着続けていたりとか、十分食べては行けてるんだろうけど長い倹約生活に慣れている、そういう暮らしが板についてしまっている感じは否めない真顔

大学生がラルフローレンのシャツやノースフェイスのダウンで出社し、今日は汚れる現場だからGUのパーカーと高校の時の部活で使ってたボロスニーカーに着替えたり、仕送りだけじゃ遊べないんで夜も居酒屋入ってます筋肉と言っているのとはちょっと意味がちがう倹約だと思う。

 

地元の高校を出て、就職難でとりあえず家から通える飲食店や販売職や接客業とか工場や物流系の仕事を転々として、会社の経営悪化とか契約更新されなかったりとか年齢が上がったり何らかの理由で、中高年になって今のような日雇いの仕事に行きついてる。そしてその循環から抜け出せなくなって何年も経ってる感じでした。

 

氷河期の現実ってまさにコレだよなぁ...悲しい

都市部の役所が40歳前半の人を積極雇用!つって20名くらい非正規増やしたところでなんになるのかもやもやバブル崩壊後の当時新卒だった就職難世代って一番年長の層の人はいま50代だし、その時すでに若い社会人で会社が潰れたりして再就職先が見つからなかった人はそのまま60代になってる。これが地方の現実なのよ。

 

甘夏っちゃんも若い時は就職難で薄給な上に残業代ももらえない苦しい時代でしたが、都会の方に住んでいたので選り好みしなければ何かしらの定職にはつけましたし、派遣に切り替えたあともつましい生活ならなんとか一人で家賃を払って食べていける環境にはあったんですよね。

田舎に住んでみて実感したけど、やっぱ働くところが少ない・・・そのうえ中年になると、男性も女性も若い世代の人と少ない仕事を取り合うことになり書類選考で負けてしまう泣 60歳前後のおじさんも、次の日雇いバイトも全日程あけて申し込んでたけど直前でキャンセルされちゃった...できれば若いやつ優先なんだよオジサンだからしょうがねえわ...とつぶやいていました。

 

今回のパート先で甘夏っちゃんは唯一の専業主婦で、都会で定職についていた期間も長く、田舎から出たことのない人からするといろんな経験をしてブランド物の一つや二つも持っている優雅なマダムゆめみる宝石として扱われています(勘違いでも)。こんな師走に田舎の寒い倉庫で軽作業の日雇いバイトに来てるアラフィフおばさんなんだから裕福なわけはないんけど(笑)大学生同様お小遣い稼ぎにちょっと働きに来ただけの人であり、旦那もいるし働かなくても生活できる人、生活のためにここに来ているいろんな日雇いの現場で顔見知りになる中高年とは所詮ちがう世界の人だと言われました。

 

でも私と彼らを分けるものって学歴とか実家の経済状況とか能力はそこまで違わない。若い時にいたエリアが田舎か都会かの差とか、そのせいで安定した職に就けるチャンスがあったり、伴侶との出会いに恵まれる可能性が高かっただけだと思います。そうしてたまたま都会で知り合った夫がいるので今この瞬間は食べていけてるけど、離婚されたら私も明日から日雇い労働しかできません骨キャリアも積んで無いし、資格もないし、実家も裕福じゃないし。ハローワークに何度通ってもきっと就職先は見つからず、バイトアプリにいくつも登録してティッシュ配りとか深夜の皿洗いとかで日銭を稼いでとりあえず今を乗り越えて生きる選択肢しかないと思う真顔マジで。

 

就職氷河期組として、私自身も超えられなかった壁のこちら側の人間であり、若い時はなんとか壁の向こう側に行きたいと爪が剥がれる思いで必死でよじ登ろうとして働いてきた非正規雇用の人生でした。

日雇いバイトに集まる中高年の人の中には、望んだ教育を受けられなかったり、実家から出られなかったり、病気や借金などの事情がある人も多いでしょう。

田舎の実家住まいの独身の中高年の実態はなかなか厳しく、孤独で、そういう状況に長らく浸かり慣れているように見えました。そしてそのまま社会の中に沈んで忘れ去られていくようにも思えました。

 

またどこかの現場できっと会うよね〜と、特に連絡先も交換せず別れました。

私たちの世代の何が悪かったんだろう?って甘夏っちゃんはいつも思います。特に勉強ができたわけでもなく、実家が裕福なわけでもなく、実力者の知り合いがいたわけでもなく、ふって湧いたようなチャンスにも縁がなかった。

でも地道にコツコツ真面目に働いてきた私たちは、あの時代にどうすればよかったの?と。