ハンコと署名には慎重な甘夏っちゃんです!
高齢者が家族が知らない間に物を買ったり怪しい契約書にサインしてしまう事件よく聞きますよね。
うちの祖母も生前田舎で一人暮らしをしておりました頃、よくわからないサプリメントや健康器具・布団・鍋などを買っていました。見つかったら叱られると思って押し入れに隠している、でも行くたびになんか増えている、なんであんな使わないもの買うのかね?とその頃のポンカンさん(親)がよくこぼしていたのを覚えています。
その頃の田舎には店舗が少なく、地方周りをしてる行商が売りにくることがありました公民館などを借りて来場者にラップやゴミ袋などの景品を撒き餌に年寄りを集め、田舎では売っていない珍しいものを見せながら漫談のような商品紹介をおもしろおかしく聞かせ
たっぷり1時間ほど笑わせてくれた終わりには、さらに茶菓子やザルだのオタマだのといったキッチン用品をお土産に配ってくれる。売りつけられるどの商品も市場価格に比べて法外な値段なのだが、それには僻地までのガソリン代や販売員の宿泊費やバァ様たちに撒いている景品代も含まれているのだからそりゃ高値になっても仕方がない。
甘夏っちゃんもついて行った記憶があるのだが、そこには詐欺とか圧力といったようなネガティブな空気は一切なかった。おばあちゃんたちはそりゃあもう大笑いして満足そうに買い物を楽しんでいた。年金の中から許される額を握りしめて、何日も前からそのイベントを心待ちにしているのだった。そう、年寄りにとってはエンタメなのだ
10万円もするアヤシイ温熱器具を2年ほどの月賦で買おうと契約書にサインしている老夫婦を横目で見ながら、年寄り相手にアコギな商売ね〜つまらないもの買わないでよとポンカンさんは祖母を牽制していた。結局祖母は数千円も払ってこっそり珍味を買っていたのだが(笑)祖母に言わせると「遠いところに来てくれておもしろいものを見せて笑わせてお土産までもらうのだから何か買ってあげないと申し訳ない」という言い分があった。完全にイベント参加料である。
何十万もするマッサージ器を街の一角の事務所などでタダで使わせて老人のおしゃべりに付き合うだけで営業を一切かけずに契約させる販売スタイルがありますがあれと同じですね。その商品が欲しいとか騙されたというよりも、世話になったからなにかお返ししてあげたいという心理なんですなー。
そして時は流れてポンカンさんも後期高齢者に。
やはり祖母と同じく「世話になったからなにか買ってあげたい」と言っては、行きつけのサロンとかお店で勧められたものをじゃんじゃん買ってますね〜使いもしないケア用品とか1つ5〜8,000円もするのを何個も毎年くりかえし、本人に言ってもお気に入りの担当さんのノルマに協力してあげてるんだって親切心があるので聞き入れない。
使わないものまであまりにも言われるままに買ってくるのもどうかなと思い、一度ポンカンさんの紹介でその店を利用してみました。同じ担当さんにポンカンさんの話題をふってみたら、どうもポンカンさんは金持ち風に振る舞ってるようで話を大盛りし裕福な感じでなんでも買ってあげる、予算なんか気にしたことないと吹いてるらしい(笑)キャバ嬢に良い格好したいオッサンか!担当さんはすっかり太い客だと信じ込んで、ポンカンさんの虚栄心をくすぐるような”特別なお客様限定の”高額商品を次々に勧めているようでした。
ポンカンさんの見栄っ張りが原因だけど、担当さんもこちらの懐事情を巧妙に聞き出そうとしてるところがあって。私との話の中でもお金持ちでいらっしゃるんでしょう?とか、高いプレゼントとかもらえるんですか?とか不躾でしたなので、年金暮らしでお金なんかあるわけない、ちょっと見栄っ張りなので話半分で(笑)と前置きし、長くお世話になってるようでホームケア用品も未使用品がいっぱい家にあり、帰省の度に使わないからあげると言われて私も困ってる、使い切るまでオススメしないでもらえますか?とやんわり伝えました。
相手側に介入した事案では、宝石屋さんによるホテル無料アフタヌーンティ会や花火鑑賞の夕べ(...と言う名の囲い込み型展示即売会)もあります。1〜2回買った時にまたまた見栄っ張りな大ボラを吹いたのでしょう。ハガキや電話でしつこく誘ってきているようだったので一度ウインドウショッピングを装って親子で来店しました。ポンカンさんがなんでも買ってあげる的な寸劇をしている横で「こんな高いものうちには不似合い!それより早くユニクロ行こう!」って出された茶も飲まずに出てきました。こいつ思ったより金無えな、と思われるのが最大の抑止力です
本人に言っても聞かないし、つまらないもの買うなと自尊心を傷つけていじけさせてしまってもいけない。
でもアヤシイ気配がするものはやっぱり家族が盾になり、相手側に釘を刺しておくことは有効な手段です。
お世話になってるからよくしてあげたいと言う親切心や見栄を張りたいという気持ちは理解できますし、本人もまだ抑制できているのであまり口うるさく言わない方がいいと思います。が、相手側も商売ですしそういう優しさや虚栄心をうまくくすぐるのがプロ、使わないものや10万円を超えるものを買う時には注意深く見守る必要がありますよね。
次回「断りきれなくて」のパターンにつづきます!