親(ポンカンさん)が白内障の手術をしました。

友達の親御さんもちょうど迷っておられて相談をされ、

高齢者あるあるなのだなと思ったので流れとかやることとかを記録します。

 

うちのポンカンさんは両目とも手術をしました。

始めは右目だけが特に見えにくくなってきたので眼科に相談に行ったところ、少しマシな左目も右と同じくらい見えなくなるまで待ってから同時期に一度に手術しましょうということになりました。

 

まとめると...

・1週間差で片目ずつの日帰り手術

・両目で手術費用は3万円くらい(手術前後のチェックのための通院費は別)

・多い時は週3で受診が必要、術後も2〜3ヶ月はチェック受診要

・1人で理解&通院できるなら付き添いは必須ではない

・前後の通院が頻繁なら家から近い病院をおすすめ

・病院によっては入院対応可能のところもある

 

以下、時系列で親の状態と付き添いなど詳しく書きますね。

 

①両目とも悪いなら見えにくいのでとにかく転倒に注意

片目だけ悪くてもう片方がはっきり見えていればまだ良いのですが、片方がほぼ見えなくてもう片方も同じくらい悪くなるまで待つ場合は、手術の日程が組めるようになる頃には両目ともかなり視界が悪い状態で暮らすことになります。

 

ポンカンさんは片目の視界が悪い状態で受診し、実際の手術時期はそれから半年くらい先でした。すでに右目の視界は悪く、かろうじて見えていた左目もだんだん悪くなるのですから手術3ヶ月前には足元の段差などが危険な状態になっていました。

 

普通に暮らせますが、暗い場所や境目のはっきりしない色の階段などは段差が識別できないため格別の注意が必要になります。ポンカンさんも何度かつまづいたり転びかけたりしていましたので、曇りの日や夕方薄暗いときは出かけないとか階段は2〜3段でも必ず手すりをつかむとか、リュックやポシェットなど両手が塞がらないようなカバンに替えるなど、とにかく転ばないことを第一優先に本人に留意を促すようにしました。

 

 

②目が見えにくい間のいろんな弊害

転倒が一番怖いのですが、それ以外にも目が見えにくいことの弊害がでてきます。

全体的に視界にモヤがかかったようになるので、細かい部分の掃除が全然行き届かなくなります。掃除をした形跡はあっても、部屋の隅にほこりや髪の毛が堆く積もっている部分がたくさんありましたし、便器の裏側なんかも引くほど汚れていました。汚れや埃が見えていないのでこれは仕方ありません。こういうときこそ子の出番です、2ヶ月に1回でも大掃除をしに行ってあげなければいけません。

 

あと、目が見えないとちょっとした楽しみが制約されます。そもそもコロナ禍ですからお友達とご飯を食べに行くこともできません。その上、TVを見たりふと景色を眺めたりといったささやかな楽しみすら目が見えにくいことでいちいち遮られるのです。

手術までの数ヶ月、ポンカンさんもかなりストレスを感じていました。イライラを被弾するのはこちらも疲れますが、つらい我慢の時期は頻繁に電話してお喋りの相手を務めました。

 

 

③通院頻度が高ければ通いやすい病院が一番

手術1週間前までの数ヶ月は、月2回程度のチェック受診だけでした。しかし手術直前から術後は、週3回位の頻度で通院しなければなりませんでした。ポンカンさんの場合は片目ずつ1週間差で同じことをするので3〜4週間そのような頻繁な通院状態が続きました。そしてその後も週1→月2でチェックのための受診が約2〜3ヶ月続きました。

 

本人の通いやすさは当然ながら、子世代にとってもこの通院の付き添いのために仕事を休まねばならないかどうかが頭の痛い問題です。ポンカンさんの通っていた病院は術前後は週3回、しかも都合は選べず病院指定の日時きっかりに行かねばなりません。この辺は病院によってやり方に差ががありますので、通院の頻度や方法を確認したうえで病院選びをなさることをお勧めします。

 

かかっていた病院の場合は付き添い必須ではありません。次回の予約日や目薬をさす説明や書類を読んで理解して自分で移動できるのであれば、80歳以上の人でもお一人で来院している方が何人もいらっしゃいました。去年右目やって左目も悪くなってきたから〜と慣れた様子で看護師さんに自分で説明されていました。

 

ポンカンさんの場合は両目が見えづらい状態だったので、手術直前の生活サポートからの流れで手術当日と翌日の2回だけ付き添いました。当日〜翌日の診察までの間は、術後右目は完全に塞がれており、左目は術前でぼやけているので両目とも見えない状態になるからです。翌日の受診で眼帯が外され片目はくっきりはっきり見えるようになりますので、それ以降はひとりで通院してもらいました。家から近い病院でしたのでタクシーでも1メーターです。

 

本人が1人で行くとしても付き添うとしても、通院頻度が高ければ家から近い病院をおすすめします。電車で通っているお婆さんは通院が億劫だから定期的な経過観察期になったら近くの眼科に転院したいと言っていました。徒歩ないし車やタクシーですぐ行ける範囲のところがやっぱり本人にとっても家族にとってもベターですね。

 

 

④手順や痛みなど

ポンカンさんは本来病院嫌いですが、高齢のお友達から全然痛くなかった世界が変わるほど良く見えるさっさと手術しておけばよかったと聞いていたので、めずらしく恐れや迷いはなかったようです。怖くて迷っておられる親御さんはお友達に口説いてもらうと安心して前向きに考えられるかもしれません。

 

手術当日は麻酔も目薬タイプで何のストレスもなく、手術室に連れて行かれて緊張したけれど術注も触れられているという感触だけで痛みは全くなかったとケロッとしていました。術前点検〜目薬の麻酔が効くのを待つ時間〜手術終了まで3時間ほどでした。私は近所の喫茶店でランチを食べてドラッグストアで買い物して時間を潰しました。手術当日は大事を取ってタクシーに乗って帰りましたが、翌日の検診の帰りは眼帯も外れて視界も良好でウキウキ歩いて帰ってくるほどでした(片目はぼやけてるのでバランスが悪いため手を繋いで歩きましたが)。

 

術前から術後は家でも決められたタイミングで決められた種類のさまざまな目薬を何度もささねばなりません。手術した方の目に水滴が入ることは厳禁ですので入浴や洗顔は数日間できませんし、アルコール綿で目の周りを拭ってから点眼をするなど順番ややり方が細かく指定されていました。寝る時は柔らかい眼帯ではなく毎晩金属製のアイパッチを貼って目の保護をしなくてはなりませんでした。

チェック表になっているわかりやすいプリントを病院から渡されましたが、慣れるまでは時間を忘れたり種類や手順を間違えたりすることもあるので注意が必要です。ポンカンさんの場合は1週間ずらして両目の手術をしたので、右目は何日からコレ、左目は何日まではアレというふうに左右で手順が異なった期間もあり、自分ひとりでさせるには少し難しいだろうなと感じました。ポンカンさん本人も、通院や手術よりも自宅でのアフターケアが複雑だったのでサポートをしてもらえて助かったと言っていました。

高齢で複雑なことが覚えにくかったり、子供がべったり付き添えない場合は電話やアプリで遠隔からでもチェックしたり、ケアマネさんに相談して管理してもらったり、退院までは看護師さんに看てもらえる入院対応の病院を選んでも良いかもしれません。

 

 

以上です。

誰もが口を揃えて「世界が変わる」というほどクリアな視界を取り戻せるらしいです。手術はちょっと怖いなと思って先延ばしにしている親御さんも多いかもしれませんが、とにかく視界が悪くて転倒するリスクのほうが高齢者にとっては恐ろしいです。ポンカンさんも視力を取り戻した後は喜んで読書を再開したりウォーキングに繰り出していました。

そろそろかな?と思っている方の参考になれば幸いです。