腹腔鏡手術時は大部屋、

子宮全摘手術時は個室を選択しました。

それぞれの良さがあったので書いてみたいと思います。

 

●予算

大部屋は追加料金は必要ありません。

個室は保険適用されない自費がプラスされます。

出される食事や設備やサービスなどはほぼ同じで豪華になるわけでもないですから、

家賃と同じで占有面積の広さによって費用は高くなる、

そしてプライバシーの確保がその金額の差といえます。

 

個室といってもランクがあり、

部屋にソファやシャワーやトイレまでついているところもあります。

私のオススメは2人部屋です。完全個室ではないですが、

隣のベッドに誰も入らなければ実質独占です(普通の個室よりむしろ広い)。

通常の個室が25,000円前後に比べて私の入院した病院の2人部屋は2,000円位でした。

 

●大部屋のメリットデメリット

私の入った大部屋は4人部屋でした。

大部屋で一番辛かったのは「音」です。

同室者4人の病気も治療状況もスケジュールも全部違います。

入れ替わり立ち替わり医師や看護師や家族が検査やお話に来られて落ち着きません。

隣は放射線治療している方で、食事中も真夜中も24時間吐いていらっしゃいました。

眠りたいときや神経過敏になっている時には

四六時中続く足音、話し声、吐く声、測定器の音、

机に何かを置く音、扉を閉める音などで気の静まる時がなく辛かったです。

また自分の音もなるべく響かないように気を使いました。

医師や看護師との話の間は相手の病状も自分の病状も筒抜けですし。

 

大部屋のメリットは「看護師の出入りが頻繁で声をかけやすい」ことですね。

看護師の巡回は1日数回と決まっていて、

それ以外に疑問や用事があるときはナースコールを押さなきゃいけません。

ちょっと聞きたいことのためにいちいちナースコールで呼びつけるのは結構気兼ねします。

そんなとき、同室の患者さんの用で来た看護師さんがくれば捕まえて言付けしやすいです。

色々不安になった時も同室もみんな似たような闘病生活をしているので、

1人じゃない、私も頑張ろうと心強く感じることもできました。

 

●個室のメリットデメリット

何と言ってもプライバシーの確保ですね。

家の自分の部屋と同じ状態で過ごせます。

静かだし、電話もその場でできるし、TVを見ながら笑って独り言を言えるし、

家族の見舞いの時間も気にしなくて済むし、小さい音なら音楽をかけて聴くこともできるし、

空調や設備の使用なども自分のタイミングでできるし非常に快適でした。

全摘手術の時は個室にしたのですが、

些細なことですがやっぱりプライバシーが確保されるとストレスが大幅に軽減されて

心おだやかに手術や治療に向き合うことができました。

 

デメリットは鍵がかからない部屋に一人きりでいる不安です。

私の入院してた病棟はフロアが婦人科専用ではなかったので、

隣室や向かい部屋に男性も入院しておられました。

寝巻きで寝起きしているところに知らない男性がウロウロしているってストレス高いです。

部屋の外に名前が表示されているので女性患者が一人きりということは誰にでもわかり、

原則部屋の扉は開けっ放しにされているので、カーテン一枚で仕切っているだけで、

廊下や病室での男性の話し声もよく聞こえ、怖く感じたこともあります。

手術明けなどはほぼ裸に近い薄い術衣だけで体を動かせない状態で寝ていますので、

大声を上げている男性患者などの声も怖いし、

掃除の男性が掃除でーすと言いながらいきなりベッドサイドまで来られるのも怖く感じました。

大部屋と真逆で看護師さんも私1人のためにしか入室しないため出入りも少ないです。

 

 

音や静かな環境やプライバシーを重視したい人は個室をお勧めします。

誰かしらワイワイ人の気配があったほうがいい、費用を抑えたい人は大部屋をお勧めします。

 

婦人科のフロアが満床の時は別のフロアの部屋をあてがわれることもありますが、

その可能性を事前に説明された時に別フロアの特徴と雰囲気を看護師に聞いて見るのもアリです。

 

私は満床時は産科のフロアになるかもと打診されましたが、

経験上産科は24時間緊急も多く、喜びに溢れる見舞客も大勢で、小さい子供連れの来院も多く、

部屋も廊下もとにかくうるさいという印象が強く断りました。

 

しかし後で聞いて見たら、産科はフロア全体が最新の設備・リフォームがされており、

時期的にベッドも空いていて静かで余裕があるとのことでした。

婦人科フロアが男女混合だと知った時は産科フロアを希望すれば良かったと悔いました。

 

私はド質素な公的な総合病院だったので、

1日数万円の個室料金を払うのはもったいないと判断しました。

専任看護師が付いてくれるわけでもなく、

グレードアップした食事が出るわけでもなく、

ただ面積が広いだけで簡素で質素な設備に変わりなく、

隣室が騒がしい人だったらいくら個室でもうるさくて快適な入院生活にはならないです。

 

数万円の個室料金を払うなら、

設備やサービスにも力を入れている病院で払った方が値打ちがあると思います。

 

ただ大部屋ではとても良い気づきをいただきました。

隣のベッドの方が放射線治療をしに来られていたのですが、

副作用で毎日夜通し1日中吐いていて、

吐き気をとるための薬で喉が痛くて何日も食事が取れなくなり、

喉の痛みをとるための薬で今度は胃が痛くなって胃薬を飲み、

そういう治療を続けておられる姿を目の当たりにしました。

 

もしステージが進んだら次は私がアレをするんだと覚悟をしました。

あんな辛そうなことが私に続けられるだろうか?

1人で孤独で不安にさらされながら何度も痛い不快な思いをしてまで治療に前向きになれるか?

私ならもう嫌で治療をやめてしまうんじゃないかと。

でも嫌でやめたら病気が悪化し、ますます痛くて嫌なことがやってくるだけだと悟りました。

もし隣の人のようになったら、私も同じように吐いたり薬の副作用に苦しみながら、

生きるために治療を受けてたつと決心できました。

お話もしなかったけどお隣のおばさんの姿から学ばせていただいました。

その後悪性だと診断された時の落ち込みから回復が早かったのも、

この時ある程度プレ覚悟ができていたからだと思います。