卵巣嚢腫を腹腔鏡手術にて取ることになり、
その流れと経過を項目ごとに書きます。
●入院までの準備
手術日までにMRIと採血・麻酔の説明を受けます。
検査前までの当日の飲食制限があります。
MRI(ガンガン音がする狭い筒の中に入るやつ)は造影剤を使用します。
コンタクトや装飾品や差し歯など一切を外して検査を受けます。
腹腔鏡手術の麻酔は全身麻酔のみでその説明を軽く受けます。
過去に麻酔で気分が悪くなった方はここでしっかり麻酔医に伝えましょう。
●手術前日
入院してますが手続き後は基本フリーです。
術後は2日ほどシャワーに入れませんので、
前日にはしっかり浴びておきたいところです。
何と言っても下剤です。
当日は絶飲絶食ですが前日も夜から絶食指示があります。
手術に向けてお腹の中を空っぽにするために前日から下剤を投与されます。
個人差によりますが最後にはさらっさらの水状態になるまで出ます。
病院によっては便を確認されるところもあるようですが私はありませんでした。
食事の時間やシャワーの時間に下剤が効き始めるとせわしないので、
看護師さんに飲む時間調整を相談した方がいいでしょう。
●当日(手術前)
絶食で、飲水も時間制限があります。
手術1時間前に立会いの家族と集合し待機するよう指示があります。
立会いは友達でも構いませんが、術中の緊急連絡先は必要です。
立会いの友達に手術の内容や結果を通知するかどうかは自分で選べます。
私は腹腔鏡手術は友達に立ち会ってもらったのですが通知は無しでお願いしました。
手術が終わったら家族に電話で無事終わったと連絡してもらいました。
手術室に連れて行かれて台の上に乗り(スポットライトを浴び/笑)
手の甲に点滴用の針を打たれます(基本は利き手と反対側)。
ガス式の麻酔を吸引して少しリラックスして点滴から麻酔が入りますよー
...記憶はここまでです。
●当日(手術後)
...名前を呼ばれて手術室で目覚めます。
声が聞こえるか指を動かせるかなど麻酔の覚め具合の確認があります。
ぼーっとしてるだけで痛くもありません。
元居た病室に戻されます。うっすら付き添いの友達の顔が認識できます。
ベッドでは、手の甲に点滴、お股に尿管、
そして両足に血栓防止の膝下エアマッサージャーで繋がれています。
点滴に麻酔は入っているので痛くありませんが、
痛ければ自分で適量を自由に追加できるシステムになっています。
絶飲絶食でこのまま一晩です。できることは恐る恐る寝返りするくらい。
話したりスマホいじったりなど寝ながらできることは可能です。
真夜中含めて血圧と体温測定が数回あります。
夜から38度を超える熱が出ました、翌日くらいまで続きました。
術後はよくあることだそうで解熱剤が投与されすぐ楽になりました。
私はもともと不眠症なのですが、
慣れない大部屋と手術後の緊張と病気の不安などで一睡もできませんでした。
通常使用している入眠剤は手術当日は飲めません。
ご心配な方は担当医に事前相談し、
それに代わるものを点滴に入れていただくことができます。
●術後翌日
一番キツイのが1日目です。
私は傷の痛みなど皆無に近かったです。
手術担当の方が昨日の手術について傷や不調なところがないか確認に来られます。
担当医も看護師も手術担当もみんな傷の痛みを気にされますが、
私は10段階(0が痛み無し、10が我慢できないほど)で例えると
最大でも「3」くらいの痛みでした。
手術の時に炭酸ガスをお腹に入れて膨らませるそうで、
そのガスが翌日徐々に体内を通って抜けていくのですがそっちの方が痛かったです。
横隔膜あたりと両肩に強めの筋肉痛や関節痛のような痛みがありました。
それでも時折「イデデデ・・・」と呟く程度で継続するものではありません。
痛みに関しては(個人差あると思いますが)
へのカッパよ、という程度でご心配するほどでもないと思います。
1日の予定は、
足を動かせればエアマッサージャー取り外し、
ガスが出たりお腹が動いて入れば飲水可、
起き上がる練習、
歩く練習、
1人で歩いてトイレに行くことができれば尿管取り外しなどなど盛り沢山で、
順調に行けばお昼過ぎには嘘のように自由の身になることができます。
最も大事なのが歩く練習をすることです。
半日以上寝た状態だったので、
血圧の急激な低下防止のために少しずつベッドの上半身の角度を上げていきます。
20度で1時間、40度にして1時間、60度で1時間、と。この間ヒマです(笑)
めまいが出たり、立ち上がる時に倒れる人もいるとのこと。
上半しを起こすとじわ〜っと腹筋に圧がかかるので微妙な痛みや、
先ほどの炭酸ガスの影響もあって息苦しい感じや、
同じ姿勢を続けるため腰痛で不快な状態が続きます。
めまい等がなければ看護師さんに立ち上がって歩く練習を手伝ってもらいます。
寝た状態から上半身を起こす時と倒す時、
立ち上がる時と座る時に一番腹筋を使います。
お腹に力が入りませんがこの時強い筋肉痛のような痛みを感じました。
座るのも立つのも一苦労、5cm刻みのヨチヨチ歩き、
今日中に1人でトイレに行き来できるようになるなんて到底思えませんが、
「この1日目に頑張れば明日から嘘のように楽になる」という
医師と看護師の言葉を信じ、イデデデ...と言いながらも頑張りました。
尿管を抜いてもらうと気分的に随分自由度が増す気がします。
いつもの尿意を取り戻すまでは1時間半おきくらいに
定期的にトイレに行くよう勧められました、歩く練習も兼ねて。
ここで自発的に動く練習をしたおかげで2日目以降めちゃくちゃ楽でした。
術後2日目には日中ずっと座って過ごせるほど回復し、
3日目には館内徒歩5分のカフェまでコーヒーを飲みに行ったりしてました。
4日目には退屈だお腹すいた何で入院してるんだろと感じるほど元気でした。
●術後2日目〜4日目
手術の翌々日から食事が始まります。
重湯(おかゆの汁だけ)、練り梅、具なし味噌汁、牛乳、お茶でスタート。
丸2日ぶりの糖分塩分です。美味しい...。お腹ちゃっぽちゃぽになるけど。
徐々に5部粥、ご飯にと普通の食事にもどって行きます。
コーヒーなど病院食以外のものを許されたのは術後3日目からでした。
シャワーは術後3日目傷の状態をみてからです、髪が洗えて嬉しかったです。
それまでは術後翌日から体を拭いて着替えを手伝ってもらえます。
3日目にはもうヒマで書類仕事をしていました。
なぜまだ入院しているのか不思議なほど元気になります。
確かにお腹に穴を4箇所も開け、昨日一昨日までヨロヨロだったのに。
腹腔鏡手術ってすごいですよ、術後5日目の朝退院です。
疲れやすいので小さいお子さんの育児や仕事の即日復帰は大変でしょうが、
退院日から食欲も家事もほぼ日常生活通りに戻りました。