PDのリハビリを紹介しているブログサイトがありましたので。

 

動画ではありません。

 

備忘録として。

 

 

 

 

 

ここからは、パーキンソンの症状がある方に対しての体操を紹介したいと思います。


 

まずはじめに、おさえておきたいポイントがあります


 

⑴ 体調管理や転倒に注意する

 

⑵ 薬が効いている(動きやすい)時間帯に実施するのがおすすめ

 

⑶ 姿勢や背スジ、手足の先端まで、自分の体への意識を高めて集中して実施すると良い

 

⑷ 手足や体を動かして、止まったかなと思ってもそこからもう一息頑張る



 

どんな体操や運動をするにしても、⑶と⑷を意識してできると、来年になっても今の身体機能を維持、さらには向上もできるはずです!




 

それでは、症状の特性を考慮したおすすめの体操を紹介していきます。



 

【すくみ足】に対して効果的な体操


 

① 足踏み運動

 

 

すくみ足は、はじめの一歩がなかなか出ないという症状です。

 

足が前に出せない原因として、脚を持ち上げる筋力が足りないと考える方が多いかと思いますが、それは間違っていることが多いです。

 

本当の問題は、歩く時のメカニズムを考えると分かります。

 

前に出す足と反対側の脚に体重がうまく移動できていないと足は振り出せません。この重心移動が主な原因となっていることが多いです。

 

そのため、この足踏み運動では、足を持ち上げる事ではなく持ち上げた足を床や地面に強く叩く様にするのがポイントです。

 

特にカカトを意識して床や地面に落とす様にしてみてください。

 

足にしっかり体重が乗る感覚の練習になります。

 

 

バランスが不安定な方は座って実施しても良いです。


 

目安の回数は

・30回 〜 100回



 

② うしろ歩き運動

 

 

転倒の危険性があるため、無理のない範囲で行ってください。

 

壁や手すりを使ってもフラフラしてしまう方は、危険があり効果もあまり期待できないかもしれません。


 

できる方は、なるべく姿勢を正し膝も伸ばして、股関節から脚を後ろに引くイメージで行うと良いです。

 

 

やはり歩きのメカニズムから、後ろに引く足とは反対側の脚でしっかりと体重を支える事を意識できるとより良いです。


 

すくみ足の症状で前に一歩が出にくい時には、一度足を引いてから出すと歩きやすくなる事が多いです。


 

目安の回数は

・10歩 〜 30歩

(歩かずにその場で、脚を後ろに引いて戻すでもOK)




 

 

【小刻み歩行】に対して効果的な体操

 

小刻み歩行は、徐々に歩幅が狭くなってしまう症状で、しまいには足が出なくなったり止まってしまったりします。

 

また、前傾姿勢や前のめりが強くなってしまうとバランスを崩しやすくなったりします。


 

 

①大股運動(レンジ運動)

 

 

普段の歩幅よりも、2〜5cmくらい足を前に出す運動です。

 

足を前方に出して膝を深めに曲げ、腰も落とすように心がけます。

この時に前傾姿勢にならないように気をつけましょう。

 

 

可能であれば、足を前に出すのと同時に両手を肩の高さ水平に広げる様に上げてみましょう。

 

 

難しい場合は、両手を後頭部に当てて行ってみても良いです。

 

 

バランスに自信がない方は、壁やテーブル等に片手をついて行ってください。

もう片手はなるべく足を出すのと同時に肩の高さまで水平に上げるように行えると良いです。

 

 

左右の脚を交互に行うようにすると良いと思います。



 

目安の回数は

・5回 〜 15回




 

②つま先立ち運動

 

 

歩幅が徐々に狭くなってきてしまう時に、体に何が起こっているかと言うと、足首をうまく使ってバランスを取り重心を前に移動させることが難しくなっています。

 

つまり、足裏のカカトからつま先まで満遍なく重心を移動させる事ができていません。

 

 

ここでお伝えするつま先立ち運動は、単に筋力トレーニングと言うよりかは

先述した通り、重心をカカトとつま先に行ったり来たりさせるのを意識しながら行っていただくと良いです。

 

 

なるべく姿勢をただして膝も伸ばした状態で、カカトからつま先に重心を移動させながらカカトを持ち上げて

 

かかとを落とす時は少し勢いをつけてドスンと落としても良いです。


 

体(重心)が、カカト〜つま先と前後に少し揺さぶられるのを感じれると良いと思います。




 

目安の回数は

・10回 〜 20回




 

 

【方向転換】に対して効果的な体操

 

 

パーキンソン病の特徴のひとつに方向転換の難しさがあります。

 

方向転換が難しくなる主な原因は、体の捻りの硬さにあります。

首から骨盤までの背中の長い筋肉が硬くなることで、前傾姿勢になったり体を捻る動きに影響が出ます。

 

急な方向転換やトイレの中などで向きを変えようとする時にバランスを崩しやすくなってしまいます。

また症状が進行してくると、寝返りや起き上がりの難しさも出現してきます。



 

①体の側方捻り

 

 

浅めに座っている姿勢か、立っている姿勢で行います。

 

片方の腕の肘を伸ばして、肩と水平の高さまで持ち上げておきます。

そこから体の前を腕が通り、反対側に持っていきながら体を大きく捻ります。

 

この時に腕だけでなく、しっかり体や顔も反対側に向けるように意識しましょう。

 

 

左右に大きく体を動かしたいので、歩幅も肩幅より広めに取っておくと良いと思います。

目安の回数は

・10回 〜 15回



 

②立って骨盤捻り

 

 

腰に両手を添えて、肩幅程度に足を広げて立ちます。

 

膝や股関節(腰)を曲げない様にして、その場で骨盤を捻ります。

 

肩や顔など上半身だけ捻らない様に注意しましょう。

 

片側のこしぼねを前に突き出す様にして腰をひねり、そうすると同側のつま先に体重が移動するのを感じられれば正しく行えています。




 

目安の回数は

・10回 〜 20回


 

 

 

【前傾姿勢】に対して効果的な体操

 

 

パーキンソン症状の特徴で特に筋肉が硬くなりやすい部位のひとつが、背中や腰、首の筋肉です。

 

通常であれば、背中の筋肉に力を入れて硬くすると背スジは伸びます。

しかし、ここでの硬さとは、力を入れて筋肉を収縮させた硬さとは違います。筋肉を収縮させたり逆に力を抜いて緩めたりする柔軟性が乏しくなると言う意味の硬さです。

 

 

背スジを正した姿勢の時は、背中の筋肉と腹筋とが共同して力が入ってる状態です。

 

パーキンソン症状で背中の筋肉の柔軟性が乏しくなってくると、今度は共同してはたらくはずの腹筋群が不活性になり、お腹がつぶれて前傾姿勢が作られます。

 

前傾姿勢になると、背中が丸くなることで柔軟性が乏しくなっている背中の筋肉は引き伸ばされます。

 

引き伸ばされた筋肉を収縮して戻すだけの柔軟性がなくなると、引き伸ばされたまま硬くなり前傾姿勢が固定します。

 

前傾姿勢から体を起こしにくくなると、前を見るために顔を持ち上げるのでアゴが上がります。このアゴが上がった姿勢も、首〜脳の血流障害による神経症状や、嚥下障害を引き起こす原因にもなります。



 

 

①体の前後屈運動

 

 

浅めに腰掛けて足を肩幅より開いた姿勢で行います。

 

両手を天井に向かってピシッと伸ばし、背スジも一緒に伸ばす様にします。

次の両腕をピシッと伸ばしたまま前方に倒して行き、体も前屈しながら足元(床)まで手を下ろして行きます。

 

 

腕と上半身の最大の可動域を使って大きく前後屈を繰り返します。

 

 

肩の痛みがある方は無理をせずに行ってください。


 

 

目安の回数は

・10回 〜 20回




 

②肩回し運動

 

 

背中の筋肉を意識して使ったりストレッチをすることは難しくても、肩甲骨を動かすことで背中の筋肉をほぐす事ができます。

 

片側でも両肩を一緒にでも良いので、やり易い方法で行ってください。

 

 

肘を曲げて軽く手が肩に触れる様にしておきます。その腕の状態をキープして、肘を大きく円を描くように回します。

 

肘を意識して動かすと肩甲骨が良く動きます。


 

肩の痛みなどがある方は無理をせずに行ってみてください。




 

目安の回数は

・10回 〜 15回




 

③深呼吸

 

 

座った姿勢、仰向けで膝を立てた姿勢などで行うのがおすすめです。

 

 

先ほど、腹筋群が不活性になることで背中が丸くなり前傾姿勢になるとお伝えしました。

背中の筋肉を意識して背スジを伸ばそうとしてもうまく行きません。アゴが上がるだけの方もいます。


 

深呼吸は、横隔膜や腹筋群を活性化してくれます。

 

 

ポイントは、鼻から息を吸うことです。

 

鼻から息を吸うと腹式呼吸になります。おへそが突き出てお腹が膨らむ様に意識すると良いです。

 

息をはく時は、口からでも鼻からでも良いです。吸うときよりも時間をかけて息をはく様にしましょう。


 

深呼吸をしながら、もしくは深呼吸が終わってから「おへそを前に向ける」「みぞおちを高くする」「胸を張る」様に意識をして体の下から姿勢を整える様にしてみましょう。

 

 

この時に、体よりも先に顔(アゴ)が上がったり視線が上を向いたり、上半身が少し後方に反ったりすると背中の筋肉を優位に使っています。

 

なるべく顔や視線は動かさずに、おへそや骨盤など体の下から順々に動かす様に意識をしてみてください。


 

体の前面を意識することは、腹筋群を使って姿勢を正す事になります。

 

余計な背中の筋肉を使わないので、背中の筋肉の柔軟性が保たれながら姿勢を正すことができるので、アゴも引きやすくなります。



 

目安の回数は

・5回 〜 10回





 

いかがでしたでしょうか。

 

 

冒頭でも述べましたが、どんな運動や体操をする時も

 

 

・ 姿勢や背スジ、手足の先端まで、自分の体への意識を高めて集中して実施する


 

・手足や体を動かして、止まったかなと思ってもそこからもう一息頑張る


 

動きがゆっくりになる、動きが小さくなる事が特徴の症状ですから

つま先・指先・頭の先まで意識を集中させて、可動域の最後の最後まで大きく動かしきる事が大切です。

この事を意識して行えると、結構な疲労感や達成感を感じるはずだと思います。