アルゼンチンタンゴに熱中している浅田舞さん
一部抜粋です。
浅田舞、人生初のアルゼンチンタンゴ留学記。「おでことおでこ、鼻と鼻が触れ合う距離感で踊るんです」“男女ふたりだけの世界”のダンスに浸る旅
私はここ何年間か競技としての社交ダンスをやっていますが、アルゼンチンタンゴと社交ダンスは全然違いました。歩き方も、パートナーとの組み方も、履いているシューズも違うんです。
一番の違いはパートナーとの距離感。アルゼンチンタンゴはものすごく近いです。おでことおでこ、鼻と鼻が触れ合うくらい。そういう距離感で踊るから、練習中にパートナーの急所を蹴り上げてしまうことも(笑)。
初めてアルゼンチンタンゴのレッスンを受けたときは、もともとやっている社交ダンスの感覚とは違いすぎて距離感がまったくつかめず……。だから、まずは先生と抱擁するところから始めました。
「恥ずかしがらないで。おでことおでこをくっつけたほうがカッコよく見えるんだよ。アルゼンチンタンゴはひとつの音楽に合わせて、ふたりだけの物語を作るんだ。周りにいる人や舞台を見に来ている人に向けて踊るんじゃない」と先生に言われた言葉を、今でも鮮明に覚えています。
社交ダンスは周りに向けて自分をアピールするのに対して、アルゼンチンタンゴは男女ふたりだけの世界を作るダンス。まさに陰と陽です。社交ダンスは陰な部分を隠して陽に見せないといけない印象があるダンスですが、アルゼンチンタンゴは陰のままでも素晴らしい表現になる。そういう違いがあると思います。
本場アルゼンチンでは、プロではない一般の方、おじいちゃん、おばあちゃんから若い子たちまで、日常生活の娯楽としてタンゴを楽しんでいるんです。
毎晩、深夜0時から生バンドが演奏を始めて、朝の4時まで踊り続ける。90歳ぐらいのおじいちゃんとおばあちゃんが言葉を交わさなくとも、ダンスをしながら会話している姿がとっても素敵でした。
こうした本場で

