ドット絵で魅せる粋な作風で世代を問わず魅了したオクトパストラベラー。その続編が3時間限定というセコめな体験版が配信中。
前作は未プレイながら人様の実況でどっぷり堪能しており、まるで自力クリアしたかのように堂々と振る舞っているわたしです。
今回はシリーズ初体験となる『オクトパストラベラー2体験版』の所感をザックリ殴り書きしていく。
もう先に言っちゃうけど、わたしには合わなかった。
かなり毒吐いてるのでファン信者は退出プリーズです☆
HD-D2のグラフィックは前作からアップグレードした・・・らしいが、そこまで違いは感じず。いや前作でも十分な見映えだったからね。ゆえに感動はそこまでなく。
でもドット絵は粗さがウリなのでこれ以上に情報量を加えると中途半端になりそう。例えばタクティクスオウガリボーンは滑らかすぎてツルツルした感じがあったからね。
ガチポリゴンのモデリングに囲まれているイマだからこそドット絵がより魅力的に映る。わたし的にはFF7リメイクもこれくらいでよかったくらい。ムービーだけ3Dモデリングにしてさ。
RPGはグラフィックよりゲーム内容に容量を注いでほしいのよ。
ただ残念ながらオクトラ2はゲームシステムがほぼ前作と同じで、新要素もけして多くはなかった。
ジョブやアビリティが前作とほぼ同じなのは、かなりの萎えポイント。
新アビリティもあるにはあるが、見慣れたアビリティばかり並び、主人公8人のジョブも完全コピペなのが寂しい・・・。
たいがいのゲームはスキルやアビリティが継承されるものだけど、ジョブ固定のせいでより焼き増し感が強いのよね。
新システムの『底力』はキャラごとに個性があるし既存アビリティとの組み合わせを楽しめそうではある。
ゆえに前作を知らない方が楽しめたろうと、少し後悔している・・・。
とりあえず主人公はソローネを選び、1章のメインストーリーは悪くなかった。わたしの好きなハードボイルド路線。
でもこの感じ、どっかで見たことあるけども・・・。
まあこれだけ世に創作物が溢れる時代にカブリなんて気にしてらんないか。
今作も最初に選んだキャラクターはクリアするまでパーティから外せないと思われ、わりと真剣に考えて選んだ。結局は自分ではないので・・・と言うのは野暮だとしても、直接操作するのだから自分と近いキャラクターでないとキモチが乗らないわけ。
わたしのゲーム歴において盗賊やニンジャは何かと縁があるし。
できれば『自分のキャラ』を持ちたかったとこだけどね。そこはシナリオ重視のゲームだからしょうがないか。
ドット絵でもこのグラフィックならキャラメイクを楽しめそうなんて、ふと思った。
その自分のキャラについては、オクトラは『自分の分身を選べ』なんてフレーズで売り込んでくるが、これが大きな誤解を招くもので。
仕様が前作と同じならば、全キャラのシナリオをクリアしないと先に進めなくなるはず。つまり『どの主人公になりたい?』なんてフリながら、実際は8人全員を仲間にしてシナリオも全クリしないといけないわけ。
自分の分身などではなく、ただ最初にプレイするキャラを決めるだけ。このキャッチフレーズはガッカリさせるだけなので、もうやめるべきでは?
わたしは理解したうえでプレイしつつ、正直インチキだなと思っている。スクエニの湾曲したセールストークに、「ダマされた」と感じるひとはいるだろうね。
ちなみに公式のゲーム紹介を見ていると、街のNPCに『盗み』や『勧誘』できる要素がめちゃくちゃ楽しそうに映るが、これらはすべてのNPCに行えるわけでなく、かなり限定的なので期待しないこと。
グラフィックの負荷が軽いぶん、こういうところに容量を注いで欲しかったね。
もしオクトラに壮大な夢を見ているなら、マジでそんな遊びの幅はない。シナリオを進めながら探索して隠しボスやアイテムを漁る、シンプルな王道RPGだから。もちろんそれで良ければ買いだろう。
キャラクター同士の関わり方もいただけない。
シナリオ重視のわりにほかの主人公を仲間にするシチュエーションが絶望的に雑。
仲間が丘の上にポツンといて、「アンタ旅人かい?ちょうどアンタみたいなひとを探していたんだ。一緒にいこうぜ!」・・・なんて具合だ。
雪山でブっ倒れてたオッサンはアイテムあげるとポケモンゲットみたく仲間になった。
助けはしたけど、もうだいぶオッサンが素性も介さず「わたしもついていこう!」とか、もうちょい焦らせよと。
半獣女児を仲間にするときのヤッツケ感も唖然とした。
ソローネのキャラ的にもこうは誘わないでしょ・・・。
自分の分身とか煽って選ばせといて、キャラがブレてる。
財布落としたオンナのときはその妹が出てきて、「お姉ちゃんウッカリ者だけどヤルときゃヤルので旅に連れ出してくださいね」と、本人も「ダンサー目指して旅に出ようと思ってたとこなんです~」なんて、財布ひろったくだりから支離滅裂だった。
間が抜けすぎなんてレベルじゃない。
そもそも8人しかいないのに仲間にしないワケもなく、いちいち仲間にするかの選択も茶番すぎる。
戦闘中にはメンバーが瀕死になると「心配して名前を呼ぶ」演出があるけど、そもそも出会いがヤッツケなのでまるでウソくさい。
なんだか自分のキャラが『ソローネ役を演じている女優』のお芝居に思えて、世界が生きているように感じられず興ざめしてしまった。
オクトパストラベラーはバトルよりストーリーや世界観に惹かれていたがゆえに残念。それぞれストーリーが独立しているといっても、『馴れ初め』くらいは丁寧に描いてほしかった。
なんだかんだと体験版は主人公をコンプリートしてボチボチ探索したりレベリングしたり。LVは20くらいまで上がってたかな?
やり直せば1時間くらいで全員拾い、レベリングやお金稼ぎに2時間使えそう。
でも前述の不満点でモチベーションはダダ下がり。グラフィックは申し分ないのに、いろいろ粗いところにすっかり萎えた。
いいゲームだと思うけど、わたしには課題の多い作品だった。
多少のノイズには目をつむり、メインストーリーに集中して楽しめば・・・とも考えたが、前作のシナリオにも『新しい感動』はなかったので、そこも過度な期待はできないなと。
前作のクリアまで拝見した配信者は途中で号泣するくらいシナリオにのめり込んでいた。わたしもイイ話しだなと思って見ていた。メインシナリオについてはけして安い感動を擦るような作りではなかったし、今作も王道的な路線を踏むのだと思う。
ただわたしがわりとクールなのと、普段読んでいる小説が性犯罪を題材にしたかなりハードなものだったりするので、『生き辛さ』を題材とするテーマではかなり耐性がついてしまっている。これまで体験したものより強い『痛み』を求めてしまうのだ。
王道という無難なもののためにプレイするのは有意義でない。
そして何気にトドメとなったのが攻略動画。
体験版でブッ壊れ戦法や稼ぎができてしまうのは品質を疑うレベル。ゲーム設計は相当ユルいのだと伺えた。それはそれで救済要素と捉えようはあるが、ユルすぎても違う。
コレを単純にスゲー!と受け止めるかはそれぞれだけど、たとえ最強キャラを作りたいわけじゃなくても編成を考えてコツコツやるのがバカらしくなるよね。キャラクリとかコーディネート要素あれば自分の世界を作る楽しみ方はできたものを。
まあとにかく、わたしは体験版で食指が止まってしまった。
オクトラは見て楽しめる作品だし、また同じ配信者のプレイでも見てようかな・・・。
ちなみにスクエニが鋭意制作中の『ドラクエⅢリメイク』もオクトパストラベラーと同じHD2Dの手法らしい。
公開された映像を見る限りはちょっと書き込みすぎかな。オクトラくらいがちょうどいいのに。
バトルシーンではコマンド選択時のみキャラの後ろ姿が表示されるが、ここもただ古いだけのドット絵にしか見えない。ナニコレ?
堀井さん、コレちょっと違うんだよなあ・・・。
もう潔くガチムチの3Dモデリングで起こして欲しかった。
グフラフィックがショボい分、ゲーム要素が厚くなっているといいけど・・・。
オクトラはバトルシーンでもガンガン動くしエフェクトも派手。現時点のドット絵作品においては間違いなく至高だろうね。
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