ヤマノカミ(山の神) | 調理師になろう!あなたの知らない日本料理

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虎魚煮付け

冬瓜 赤南京 占地 絹鞘 木の芽

羽田別荘 料理長 池田和生

 

 

オコゼは背鰭に毒のある棘があるので

注意が必要

鱗はなく皮は厚くしっかりとし骨は軟らかい

身は全く癖がなくやや柔らかい

皮、あら等からとても美味しい出汁が取れる

 

虎魚は鬼虎魚のことで

「おこ」とは顔が笑えるくらい醜いこと

「ぜ」は魚名語尾

つまり「鬼のように醜い魚」の意味

 

虎魚の干物を山の神への供物にする

風習があったことからヤマノカミ(山の神)

と呼ばれる

山の神は女神では不器量なうえ嫉妬深い

醜いオコゼの顔を見ると安心して静まるとか

 

「山の神にオコゼ」は古くは御伽草子

(おとぎぞうし:室町時代から江戸初期

にかけて作られた短編物語の総称で

一寸法師、浦島太郎など)にでてくる

 

 

冬瓜(トウガン)はその名前からすると

冬のものと思われるが早いものだと

梅雨を過ぎたころから市場に顔を出す

 

摂氏10度前後の温度で貯蔵すると

翌年の3月頃まで保存できるので

「冬瓜」でも嘘ではない