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川崎市川崎区の本町二丁目町内会のみこしが修復され、二十六日、約六十年ぶりに取り戻したきらびやかな姿が地域にお披露目された。老朽化し、しばらく出番がなかっただけに、町内会の人たちは八月二日の「川崎山王祭」町内御輿(みこし)連合渡御で久しぶりに担ぐのを心待ちにしている。 (平木友見子)

 みこしは一九五一年製で、高さ約百八十センチ。「この地区は川崎宿の中心地だったため旦那衆が多く、今では作れないだろうといわれるほど豪華だった」と深瀬欣之助会長(82)。しかし、老朽化が進んでここ十年ほどは町内会館で保管されたまま。近くの稲毛神社の氏子町会のみこしが集まる山王祭の連合渡御にも出ることができず、昔日を知る人たちは寂しい思いをしていた。

 この間、修復話もなくはなかったが、「先人が作ってくれた『文化財』を次の世代へバトンタッチするには今しかないと決断した」と深瀬さん。川崎区観音町の宮大工、菅野栄次郎さんによる一年がかりの修復作業の結果、かつて本町が「東町」と呼ばれていた名残の「東二」の印、龍(りゅう)、鳳凰(ほうおう)など精緻な作りの彫り物も、元通りの美しさが戻った。

 この日は稲毛神社の宮司 によるおはらいの後、町内会メンバーらが金色 に輝くみこしを台車に乗せて、町内をくまなく練り歩いた。

 修復費約五百万円は町内会費と寄付で賄う。二日の連合渡御には、みこし修復を知った地元老人クラブ「明朗会」が寄付した藍色 のはんてん六十着を着て臨む予定。また前日の一日までは、旧東海道 沿いの「スイタヤ薬局」の空き店舗 に午前九時~午後四時まで展示する。祖父がみこしを作るのに尽力したという同薬局の平井奈保美さん(52)は「見た瞬間 、祖父の思いがよみがえったように感じ、涙が出た」と喜んでいた。