世の中には「水に流せ」「忘れた方が楽だ」という言葉がある。

だが、どうしてもそれが当てはまらない相手がいる。

それが、詐欺師だ。


詐欺は、ただの金銭トラブルではない。

人の人生を根こそぎ壊す行為だ。

時間、信用、安心、尊厳。

それらを計算ずくで奪い、平然と日常に戻っていく。

その残骸だけが、被害者側に残される。


被害に遭った側は、金だけでなく「自分を信じる力」まで失う。

「自分が悪かったのか」

「もっと疑うべきだったのか」

そんな問いが頭から離れなくなる。

だが、はっきり言う。

悪いのは100%、騙した側だ。


詐欺師は、弱い人を狙う。

不安を抱え、孤独で、助けを求めている人間を見抜き、

そこにつけ込む。

それを「仕事」だと呼ぶなら、

それは人間のやることではない。


さらに腹立たしいのは、責任を一切取らないことだ。

捕まらなければ勝ち。

逃げ切れれば正義。

そんな歪んだ価値観で生きている。

そして口を揃えて言う。

「信じた方が悪い」と。


違う。

信じた人間が悪いのではない。

信じる心を利用した人間が、徹底的に腐っているだけだ。


許せと言われることがある。

前に進むためだ、と。

だが、許しは義務ではない。

被害者が背負わされた痛みを、

加害者が何も返さずに帳消しにしていい理由など、どこにもない。


私は忘れない。

時間が経っても、怒りが薄れても、

「許した」という言葉だけは口にしない。

それは復讐ではない。

自分の尊厳を守るためだ。


詐欺師がのうのうと生き、

被害者が一生傷を抱える世界を、

「仕方ない」で終わらせてはいけない。


だから言う。

綺麗事は要らない。

理解もしない。

和解もしない。


最後に、はっきり書いておく。


詐欺師は、人の人生を壊した責任から逃げる限り、

私は死ぬまで許さない。